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だが、リンアが生まれた時の状況は、かなり鮮明に、覚えていると言っても過言ではないだろう。
何故に、母親が、聖界に、新しい國を造り出したのかは、不思議であるが、事情としては、生い立ちを含め、御子の力に関係してくる問題。
なにせ…。
リンアは。
純血の神と、純血の魔族の間に生まれた御子だからだ。
そう。
彼女は。
ー…異端神である。
だけど、それを気にさせないのが、母親だった。
出生が、どうであれ、力の制御さえ、覚えてしまえば、遥かなる上にいける。
如何に…。
上手く、コントロール出来るかが問題だと。
ー…言っていた。
今思えば、力のコントロールを覚えるのに、苦労したものだ。
意識が薄れそうになった時、何度『母様』と、呼んだ事だろう。その度に、母親は、遠い場所からでも駆け付けた。
『駄目じゃないですか。ちゃんと、コントロールをしないと、周りに影響がいきます。リンア、神と魔族の間に生まれた者は、特殊な力を持つ場合が多い。だから、きちんと、基礎を覚えないと、関係の無い者まで巻き込んでしまいます。深呼吸をして、目を瞑りなさい。其処に、何が見えます?』
広がる世界は白銀に包まれていた。
まるで『リオトル』そのもの。
この、美しい世界を、誰にも壊させたくない。
私が生まれた場所…。
これから、色んな事を知っていく所。
まだ、知らない事が、沢山あって。
触れる事すら無いけど…。
成長するにつれ、知っていけたら、良いと思っている。
あの庭にある花畑の様に。
精一杯生きている感じを…。
味わえたら。
白い洋服に包まれた赤ん坊は、揺り籠の中で、そう、思った。
空には、鳥達が飛び交い、ダンスを踊っている様にも見え。囀ずりながら、他の場所へと、飛んでいく。
赤ん坊は、そんな様子を見ながら羽根が生えたら、小鳥達みたく、飛んでダンスを踊ってみせると、心の中で誓った。
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