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第四章:銀色の華の贈り物は、一つの願いを込めて。(レイナside)

ー聖界・リオトル・銀の大会議室 「ですから、此処は、こうであるから…」 久しく、来ていない大会議室に、私は、チョークを、持ちながら、説明をした。 黒板には、ぎっしりと、詰められた古代天界語を、含め。冥界語を書いていった。 今度の、議案に必要な内容だけど、私が出るのは惜しみない気がしてきた。 どうせなら、娘を、出席させたいけど…。 あの子は、まだ十歳になったばかりだ。 早々と、大人が居る世界に、投げ込むのは、酷過ぎる。 「ラーディア・セリア・リメンス…」 冥界語を、唱えながら、考える癖は、抜けていないらしい。 『先日の件を、考え直してくれましたか』 そういや、聖界と、魔界の温存計画が、密かに、始まっていると、聞いた。 平和条約を、結ぶにしても、大伯父が。 深く、関わっているのを、知っている。 何より、娘の事を、知られたら、少々、厄介。 「考え直すと言っても、私にも、やらないといけない事があって。それを、実行に…移すにしても、せめて、リンアが…十三祝い迎えるまでは、動かせない。それも…」 亡き夫と、決めた事。 時が、来るまでは、時空の檻は、使わないのが、条件。 使うとしても、光術及び、冥界の力だけ。 それ以外は、魔術を。 『別に、魔術ぐらいは、リンアには、影響いかないだろう』 だって、あの子は『暁に、生まれた御子』だから。 それを…。 ー…意味するものは。 魔術を、使えば、意地でも、リンアの存在が、解ってしまう。 「私が…嫁ぐまでの間かしら…」 お約束は、お約束。 これを、覆したら、亡き夫に、怒られてしまうわ。 あの時の、約束を、今、胸に。 「えー…だから、此処には、私達とは違う、種族、つまり…龍族が入ります。龍族とは、勿論、ドラゴンを、表します…」 私達とは、違う種族。 武術は愚か、魔術に、長けているという。

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