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それは、存分に、承知だった。 私が、初めて目にしたのは、人型をした龍族で、少し、思っていたのと、違っていた事だけ。 「中世ヨーロッパでは、有名です。そして、龍族を、唯一…殺せる種族は、ガルーダという鳥族です」 これは、有名な話だ。 しかしながら、聖界『アリアド』の北に、龍族が、棲んでいるとは、思いも知らなかった。 「もし、リンアが、龍族と、関係を、持ったら?」 答えは、解っている。 あの子は、父親似だから…。 『母様、ヤバいです。美味しそうな匂いが…』 美味しそうな獲物を、目の前に、涎を、垂らしているに、違いない。 『あぁ…やはり、父親似ですね。リンア』 『私の場合は、興味ある者にしか、反応しません…』 『ですから、それが、父親似だと…言うのです。良いですか?龍族を…見たとしても『美味しそう』と、発言しない事。貴女が、龍族に、むしゃぶり付いている姿を見たら、聖界の王族が、あんぐり返ります』 本当に、ひっくり返るから、止めて欲しいわ。 要するに、あの子が、涎を垂らしてしまう理由がある。 「今、説明していても、無理ですね。彼方は、龍族である前に、死神界の血筋を引いている者。そして、大伯父の血筋を…引いている。だから、リンアが『美味しそう』に、見えても、致し方無い事ではあるけど、あまり、此方側に…関わりを、持たす訳にもいかない。大死神の甥っ子。私かしたら、再従兄弟。これも、必然」 鳴呼、どうしようかしら。 運命とは、時に、悪戯だから、何とも言えないわ。 「アリィース・ドゥハート・メリアス」 何時か、眠る君に。 「シリーアス・ナトゥ・ハリオーヌ」 天界の言葉では、全く、異なる。 「イジーアス・トゥ・アリゲトス・リリア」 炎が、炎を、打ち返す時に。 君は…。 眠りに、就くのだろう。

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