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4ー3
「だけど、不法侵入は、罰則なので、許可書は、ちゃんと取って欲しいわ…」
私は、窓から見える景色を眺め。
ふっと、自然に囲まれた。
この、場所を、時空の中に、取り入れる事にした。
木々の隙間から入る木漏れ日が、辺りを、照らしていく。
こんな、自然を、見せないのは、勿体ない…。
「リンアに、残しておくべきね…」
まだまだ、先の話をしていても、仕方ないけど。
運命の輪は、廻り始めている…。
「十九世紀最後の映画のワーンシーンぽっく、お涙頂戴みたいな物語とはいかないのは、残念だけど、それなりに、準備している物はあるのよ。運命の輪は…その一つ…」
グルグル、軌道に乗って廻っているものだから。
つい、手を、加えたくなる。
『それ、癖なのか。運命の輪に、課題を、押し付けて』
『癖というか、少し、歪ませただけですわ…』
あきれ返っていた、亡き夫。
ほんの少しだけ、時空を、歪めただけで、怒られてしまった。
だから、なるべくは、やらない様にしているけど。
たまに…。
悪戯をしたくなる。
バレない様にやらないと、後から、バレてしまったら、水の泡となってしまう。
「これを機に、新しい時空魔法でも、発案しようかしら…」
一人言を、呟きながら、テーブルに、置かれてある契約書を、見つめた。
「私も、覚悟を、決めないといけませんわね。彼方の、ご好意を、無下に出来ない…」
左側に置かれてあるインクに、万年筆を、差し。
契約書に、サインをした。
結婚の条約、これで良いのかしら。
私、子連れだと、最初に、言ったけど、彼方側の方。
笑顔で、対応していたわよ。
『リンアの為に、私が亡くなったら』
という、遺言を残した亡き、夫。
今更ながら、この、契約書には、立地条件が、載っています。
『血が繋がっていなくても、実の子として、育て、跡継ぎに関しても、ちゃんと、地位を、与える』
こんな条件、普通の王族でも、出さないと思いますわ。
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