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それも、自然と、身に付いたのだから、上出来と、言うべきかしら。 『他の者と、契りを交わす気はないソナタだから、契りを交わす』 人を、軟禁しながら、吐く、科白ではないような気もする。 なのに…。 ー…さらっと。 半分、軟禁生活を送っていると、芽生えてくる感情は、私も、解っている。 恋とは、自然に、落ちていくもんだわ。 身を持って知った私は、足掻くのを諦めた。 この男が、契りを交わす相手が、自分だと、断言したのなら、折れるしか残っていない。それで、解放されるのなら。 契りを交わすのも悪くない…。 『ソナタが、決めた事に、私達が、一度たりと、反対した事があったか?例え、相手が魔族だとしても、ソナタは、私達を、納得させる』 ー…そう、ね。 納得する様に、材料は、用意するでしょう。 『リーティア・オブラ・ハートリス…』 この世に、素晴らしい夜が、訪れますように。 貴女に、送る物語は、幸せな夜を過ごせる様に。 叔父様が、用意してくれた一節です。 素敵な物語が、綴れますよう、夜の神に、お祈りを。 リンア…。 素敵な淑女へと、成長して下さい。 ー…アーリア・オリアンス・コッソ。 君の、心に、素敵な炎が、芽生えます様に。 歌を…。 捧げたく、存じ上げます。 『リリアン・マグトゥナス・レディーアス』 聖界王族、第二騎士。 この世で…。 美しく、清く、正しく、そして。 可憐な女性になるであろうリンア皇女。 僕は、この日を、持って、貴女の忠誠なる僕へと、変身致しましょう。 聖界の掟に、則り、開かれるは、新しい時代の始まりの序章。 リンアが、綴りたい一節に、なる様、私も、一眠りをして。 考えなければいけませんね。 それまでは、夢のお話を、開きましょう。 貴女の、お父様の若い頃の、黒い部分でも。 なんて…。 冗談ですよ。 微風に、吹かれし、若き時代に、触れた物語を、一つ、捧げます。

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