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【ディーラーアside】
時折、思う事がある。
私の…。
美しさについて、日々、悩む。
鏡を見る度に、自分の美しさに、心酔する。
それを、リンアは、呆れた表情で、見たりするのだが、容姿は、大事じゃないか。
私は、そう、伯父様に、習った。
美しい物を、愛でるのは、素晴らしい事だ。
尚更、対象が、自分って、言うのが感慨たい。
だが…。
娘を、リンアの母親に、見せられないのは、残念だな。
契りを交わす時には、既に、居なかったし。こいゆう時って、どうして良いのか、解らなくなる。
聖界『リオトル』を、創った王妃。
リンアも、私みたく、特別なのは解る。
「聖界を統べる者と、魔族との間に、生まれた“異端神”だったか。リュリにも、少なからず、混じってはいるのだろう。だけど、私の血が、濃いせいか、龍族としての能力が高い…。それが、吉と出るか、凶と出るか」
今の…。
私には、解らない。
それにしても、鏡に映る私は、美しい。
これぞ、美形の賜物。
「相変わらず、自分に、酔っている所、失礼します…」
「君は、確か…リンアの」
「聖界第二騎士のリリアンと、言います。ディーラーア様に、我が主の行方を聞きたいのですが。あの、破天荒皇女は…どちらに…」
「自室に、居ると思うが」
いきなり声を掛けて来たから、驚いた。
間違えなければ、彼は、リンア専属の騎士。
母親が、消えてから、全て、男性が、役目を果たしてきたという噂の親代わりだった筈。
その前に、リンアを、破天荒皇女って。
「自室で…涎垂らしているんじゃないかと思って、覗いて来たのですが、見当たらなかったので…」
というか、見た目が、人形みたいだ。
無表情って訳じゃないが、感情表現が、欠落しているんじゃないと思う。
リンアに、支える者って、大抵が、綺麗な顔をした者が多い。
それも、現代で言うホストが出来るんじゃないかと思うくらいに、整った顔揃い。
母親の趣味か。
否、養父か?
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