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そんな悩みが、一つ増えた。 私は、贅沢な悩みをしていると思う。 別に…。 聞けば、早い事だ。 ー…しかし。 触れてはいけないと、脳内が、訴えかけている。 誇り高き、龍族の血を引いているのに、彼を見ていると何だか、触れてはいけない境界線が存在している様に思えるんだ。 聖界騎士団って、確か、第五までだったかな。不鮮明ではあるが、私の記憶の中では、聖界『リオトル』の秩序を守る為に作られた騎士。 それも、第一から第五まで居て、選りすぐり。 戦闘能力も長けている。 故に、第二騎士は、特別な存在と、聞く。 リンアを護る為だけに、集められた隊員。 中には、エルフも、居ると聞くし。 そう、考えれば…。 差別は無いと、見る。 快く、受け入れているあたりが、人の良さなのか、彼女の特徴なのかも知れない。 ま、妻の嗜好が、例え、私を見て、涎を垂らしていようと。愛する女性である事は、変わらないから。 「珍しいな。リンアが、自室に、居ないのが…」 「あぁ、残念。折角、長年の憂いが、晴れると、報告に上がったのに、リンア様が居ないんじゃ、無かった事にして良いと、受けているので、灰にしてしまいしょうか」 恐い…。 この男、業っとか。 …各言う私の妻は。 何処に、居ると言うんだ。 「ちょっ、リリアン?」 「宜しいですか?ディーラーア様、リンア様の父君は、こうやって、炙り出すのが好きなお方なのです。娘の取る行動を、よく、把握しています。婿の命は、丁寧に、扱わなければいけない。欲しい情報があるなら…自ら出てくるのが、礼儀だ。そう、リンア・セイントラ・アーゲ・リオトル」 「…」 うわぁぁ、久しぶりに、リンアの本名を聞いたよ。 何か、同調している。 顔が…。 悪どい。 私、どうなる? このまま、首根っこ、掴まれたまま?

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