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ー十二年後 目映い光に包まれながら、湖に映る少年は、あどけない表情を浮かべた。 此処は、天界のレイに存在する『夜の満月が浮かぶ』という場所らしい。 不思議な事に、こいゆう逸話には縁があり、嘘と思うかも知れないが、彼は、特別な家系だった。 母親は、光王族の光皇帝の者で、父親は、龍族最後の生き残りで重宝されている。 古の龍族の、血を引いているせいか、親族が特別に、部屋を設けさせてくれた。 『此処は、龍族の血を一時期止める事が出来る結界が…施してあります』 龍族の成長期に、関係してくるらしい。 僕にも、少なからず、流れている血。 『人間にも成長期という痛みが襲うらしい。勿論、龍族にも、存在して、私の娘は、熱く燃え上がって、手に押さえられない状態になった。その時、取った行動は、隔離』 たまに、現れる女性が、説明してくれたのを思い出す。 凄く、激痛が走るとか…。 『熱く、燃え上がる炎なんて、私は、初めて見た。『母様…痛い』と、言われたけど、龍族の掟が解らない為、どうする事も出来ずに、夫に、頼んだ』 なんて、他人事みたく話していたけど。 成長期に、訪れる痛みは、大人になる証で、性別も決められる大事な境目。 果たして、僕に、耐えられるか。 『娘さん…平気だった?』 『あれ以来、ピンピンしている。『脱皮して、一肌抜けた』と、言っていた。しかしながら、爬虫類に起きる成長に例えるとは、強ち…私に支えている部下みたいだ』 その、例えをした部下が、気になる少年。 浮かべた姿が、間抜けでは無いが、抜けていそうな感じの、マイペースと、言った所か。 とても、弄りやすい性格をしていそうな人物。彼の、脳裏には、既に、出来上がっていた人物像が、浮かんでくる。

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