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遥か、昔、私は、ある王国へと、顔を出した。
其処で、出逢ったのが“ノン”である。
ただ、思っていたよりも、気さくで…。
優しく、凄く、國思いの皇子様。
幼い頃の約束を、今、果たせている。
だから、願いを一つ…。
叶えてあげる事も、忘れてはいない。
『ですが、母様、それじゃ…話が』
『申した筈です。貴女が、成長するまでは、私は、逢う事はありません。リンア、火龍を生んだ事には…意味があるんですよ。ですから、自分の國を創ってみるのも一つの手かも知れませんね。それが…次に、繋がるのなら…』
そう、願いながら、私は、天界に居る孫の姿を映す。
何と…。
素敵な子なのでしょう。
新しい芽を、摘んでしまうのは惜しい。
『娘は、私似の容姿をしていますが、性格は、父親似の部分がある。だから、天界でも、生きていける様に』
娘が天界でも生きていける様に、天界名を与えるとは、リンアも考えたものね。
『炎覇』。
何時かは…。
天界の火を全て属する覇王になっているでしょう。
『時は、流れて、花々が咲き乱れる世界が訪れた時…新たな世界が切り開かれる。その、時間は凄く長く。叔父様も…醜い咆哮をするのでしょう。リンアが、龍族の血を啜りまくる前に、長年と、恐慌と思っていた私を敗北させるか、叔父様がケーキの猛毒で殺られるか、ゲームを始り。題して『天地開闢を掛けた記憶の玉が、甦るゲーム』。私の、記憶の玉は、どの時代に誕生するかも解らない。それを、探すにあたり、リンアの娘が鍵なんだけど…』
今は…。
ー…秘密。
開けて、ビックリ、玉手箱!みたいな。
ふふふっ…。
じわじわと、攻めていくのはお手の物なの。
リンアの夫を、攻略する前に、戦略は打っておくべき。
龍族の皇子を…。
盾にするのは、少々、生け簀かないやり方ですが。
手段を選んでいたら、何千年と、費やしそうだから。
『母様の悪巧みが、伝わってくる。私が知らない所で、繰り広げられる徹夜の海』
それは、ご覚悟なさいませ。
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