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第六章:父は、魔界貴族の侯爵である。(アライアside)

ー聖界・ノンリアル・フィーリア城・ディーラ-アの部屋 私は、娘の少しした破天荒さに、溜め息を吐きたくなる。 何となくだが…。 趣味に関しては、何も言わないが、仕事に対しては、少しばかり、言いたくなるのを解っているのだろうか。 妻であるレイナが、作った國『リオトル』を、残したまま、ノンリアルに、引っ越しをした。 無論、娘が生まれているのは、魔界に、情報が回っている。 本人は、私に、勝ちたくって仕方ないらしいが、其処は、父親として、譲る訳にもいかない。 まだ、手の掛かる子供として居て欲しいという事は、内緒だ。 それにしても、久しぶりに、様子を見に来たら、コレ。 「おっと、そのままじっとしていてくれると…有り難い。“娘”が、お世話になっているね。初めまして、リンアの父親である『アライラ』と、言う。以後、お見知りおきを。ディーラ-ア王」 「えっ!父親?あれ?リリアンのすが…」 どうやら、リリアンは、説明をしていないのか。 リンアの父親が、自分にも深く、関わっている事を。 しかし、説明するのは、面倒臭い。 婿というなら、悟るべきだ。 「私達の家系は、少し特殊でね」 まぁ、間違っては居ない。 聖界第二騎士である彼の身体を借りていたら、誰でも、度肝を抜かせる。 今みたいなディーラ-ア王みたく、目を大きく開いて。 「…っ」 「血筋の者は、大抵、出来てしまう体質らしい」 「そ、それは…リンアも、彼の中に入れるという意味で捉えても宜しいのですか…」 「いや、リンアは、少しばかり体質が違う。君も、知っている様に…あの子は、特殊だ。私は、時折、様子を伺いに来るのだが、今宵は、何処に、逃げたのだろうと思い、彼の身体を、拝借している」 素直に、リンアが出てこれば良い。 ソナタには、話さないといけない事がある。  

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