38 / 59
6-4
同じ穴の狢だとしても、ブラブラと勲章をぶら下げている訳じゃないからな。
魔界とは、上下関係が、出来ているとはいえ、弱肉強食の世界。生きていく為には、上に上がらないといけない毎日。
そんな中で、成長していったリンアなら、魔界の掟を、理解している故に、何処で、折れるのかも解っている。
“ティーベル”の家系が、如何に、歴史の中で、重大さがあるのかを、何時かは教えないといけないと思っていたが。
先に『ブルブェニ』の知識を叩き込んだ。
前に出ても、恥ずかしくない様に、淑女としての在り方も、母親プラスメイド頭に、教えてもらっていた。
何処に、嫁に出しても『良い嫁だ』と、言われるくらい。
社交界にも、華をもたらすぐらいの女性へと、育て上げた。
問題は、一つだけ…。
困ったのは、彼女の嗜好だ。
ディーラーア王は、リンアにとって。
『補食です』
ー…だろうな。
龍族に、目が無いのは、考えものだ。
涎、垂らしているレディーが、何処に居る。
『リンア様は、龍族と、聞くと、それは、目をキラキラにさせて、涎を垂らしながら、追いかけ回すのが日課です』
一国の皇女が、はしたないと、思う時は、何時なんだろうな。
『私も、夢に見ています。主が、涎を垂らしながら、ディーラーア王を追いかけ回さない日が来るんじゃないかと。しかしながら、リンア様に求めたら、縛術を使われた後の雷は、痛いです』
求めるな…。
リンアは、優しいくらいだろう。
母親の方は、末恐ろしく、時空術使って、走馬灯を見せる実力者。
何年か先に、彼が味わうだろう。
それを見た瞬間、世界が変わるだろうな。
きっと、夢に出てくる。
魘される場面に、遭遇した場合を考えなければいけない。
あわや、大惨事を喰らう羽目になる。
ともだちにシェアしよう!