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第七章:羞月閉花。来世に捧ぐ歌。
ー天界・蒼炎國・火龍帝邸・門
空は、晴れていて、雲一つ無い良い天気だった。
一つ言うならば、此処は、別の世界だと言う事だ。何故、この時代に、彼女が、辿り着いたのかは、解らない。
ただ、孫娘が、生きているという事だけは、確認済みだ。
本当…。
父親に、似て。
ー…死神界に、携わるとは。
“リュリ”。
レディーとしての嗜みが、あまりにも嫌だからって、夫となる者に、押し付けるのは、どうかと思うわ。
そんなに…。
厳しく、教えていないと思う。
後は、血を嘗めさせる行為は、聖界の掟により、禁じられている。
それを…。
貴女の父親は、知っていた筈です。
白というよりは、クリーム色に近い。
屋根は、赤色。
ー…とても、火龍帝に相応しい城。
自分の理想を、上手く、伝えられている感じがする。
感性に、関しては、申し分無い。
これなら、あの人も次世代で、喜ぶかも知れないけど。
少しばかり、混ぜた方が、楽しくなる。
“月詠尊”の家系なら、説いて見せなさい。
彼等が、何を、隠し、何を、創り上げたのか。
例え、結末が…。
衝撃的な、真実だとしても。
隠された秘密は、蜜でもあり、毒でもある。
ふわりと、柔らかな風が吹く中、白い髪をした女性は、城を囲む城壁の所で、透明にも見える半透明の小さな欠片の、破片を空へと浮かばせた。
これは、ほんの一握りの、始まり。
ー…これは。
物語を、紡ぐ為に、彼女が蒔いた別の人生を、歩む者。
誰も知らない世界へと、飛び散っていく。
神子、姫神、龍神。
はたまた、人間という道もある。
何処で、開花するのかは解らない。
言えるのは、物語の序章にしか過ぎない始まりの始まり。
昔々、この國は、ある人物により、破壊の神を生んだそうな。
それを護っていたのが、龍族の血を引いた者達。
火龍帝 炎覇。
後、雷神として、君臨する美しき、龍神の血を引いた皇女様である。
では、物語の一部を、開いていこうとしよう。
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