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ー時空の檻・セレシルエリア内
無数の星が、輝く中、空は、藍色というより、夜色に近い。
そんな空間に、漂っている銀色の髪をした女性は、幾度となく、繰り広げられた世界を目に映してきた。
母親が見せた世界は、何れも彩りがあり、何時かは。
娘に、見せたい物だった。
だが…。
願いは、叶わない。
夫が、魔方陣を使い、別の場所に、転生させる術を試した結果が、第二次天地開闢が終わった頃。
そんな時代に、どうやって、橋渡しをすれば良いのかも解めらないまま、千年の時が経った。
ー…私の、記憶が正しければ、一億五百年ぐらい流れたか。
『レイナ様、それは、お止め下さい…』
流れてくる…。
リリアンが、叫ぶ中、発動した時空術。
彼女が、得意とする術で、この世すら飲み込む威力がある。
それは…。
母にしか使えない。
ー…私でも、無理だ。
此処は、聖界でも無い、遠い場所。
確か、神が、生まれるにあたり、必要な源があると、習った事がある。
神界は、神が亡くなった時に、辿り着く場所だと聞いた。
丘の上に、桜の大木がある。
それは、万年桜みたく、咲き乱れているという。
綺麗な花弁が散っていく姿は、儚く感じる。
『冥界魔法とは、元素が、逆さである。ん?書物によれば…これは、諸説がある。という事は、母様の研究で集めた資料によれば、冥界語は、基礎が大事。つまり…フランス語や、イタリア語みたく、発音?しかし、私は、古代語が…』
そいゆう風に、悩んだ事もある。
しかしながら…。
不得意な物もあるのだと、気づかされた。
『誰だって、得意不得意があるのです。無理して、やる必要も無いと…言いたい所ですが、何時かは、通る道です。ですから、最初は、現代の冥界語に、触れる事です』
難しくって、泣いた時もあった。
だけど、私は、亡き父みたく。
魔界の言葉に長けていると、判明した。
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