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そんな時だったか。
一人の男に、出逢ったのは。
最初は、嫌いだった。
どう、見ても、チャラけ過ぎていて、だけど、父様を。
『垢抜けさせた感じ』と、断言する。
女性は、頭の中で、思い出した。
まさか…。
龍族最後の生き残りだったとは、思いもしなかった。確か、北の『アリドラ』に、生息すると聞いている。
その、土地は、極寒の地で、あまり人を寄せ付けない。
しかし、龍族は、土地に馴染んでいるらしく、彼は、長年と、山で、暮らしていたらしい。
時は、経ち。
私達は、運命の出逢いをする。
時空の中で、私と彼は、瞳を、合わすのであった。
『あっ、君は…』
驚いた表情をしながら、男性は言った。
『ソナタは、随分、昔に逢った。何故、時空の中に居る?』
とても、美味しそうな匂いがしたのは内緒だ。
しかしながら、彼まで、巻き込むとは、母様の考えが解らない。
聖界『リオトル』を、私が捨てたからか?
否、違うな。
これは、必然にも蒔かれた偶然から始まった物語の序章かも知れない。
ー…母様は、私を、この中に閉じ込めて。
何を、始めようとしている。
娘であるリュリを、ディーラーアが、転生させた時、仄かに見えた微笑み。
随分、懐かしい記憶だ。
だけど、私は、眠りから覚めるとすれば、幾年の時を越えれば良いのだろう。
その間に、娘は、ある計画に巻き込まれる。これは、決して変えられない宿命。
だって、私が血を引く“月詠尊”は、ディーラーアを、目覚めさせるのだろう。
それを成せば、今の世界は、天地開闢を起こしざえるしかない。
どんなに、解読が得意な者が居ても、この、古代に隠された秘密は解けないのは、目に見えている。
宇宙は、広く、銀河が広がる世界。
無数の星が、輝く中、幾つもの惑星が、漂っていて、空気すら作っている。
そんな中、一番強いのは、太陽。
熱く燃える、まるで、リュリの髪みたく、神々しさを感じる。
覚醒遺伝で、たまに生まれるらしいが、龍族の血を引く者の特徴らしい。
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