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『神の世界にも、十戒(じゅっかい)が、存在するんだ。君は、まだ、若いかも知れないから解らないかもだけど、それぞれの國にも、掟が存在する。だから、龍族の血を引いている君は、十五龍神の元で育てられるべきだ』
呼ばれた理由が、何となく解ったけど、これ以上、断り続けといたら、後が、厄介。
この、伯父、僕の母親を動かすんじゃないかと、思った。
それは、神々の掟であり、変えられない理。
『神の掟、第一章』
鳴呼、学校で、習った。
「悩んでいる時間は無いよ…」
「…今更、龍族の方々が、僕みたいなハーフを、受け入れる態勢が、できていますか?」
「其処は…差別はしないだろう。現に、神と龍神の間にも、御子を授かっている者も居る…」
「昔みたく、柔らかくなったからといい、今の時代で、太古の血を引いた者が、受け入れられるか解らないです。僕みたいな血を引いている御子を、嫌う龍神も、居るかと思うんです」
差別は、昔にあったんだっけ。
龍族だからと言って、同じ場所には、棲めないとか。
熱い鱗は、売れるとか噂になって、狩りが行われていたのも事実。
そんな中、ハンターを、狩る作業に走ったのが、僕の前世だった。
率先をきって、軍隊に飛び込んだらしい。
でも、あの格好で、飛び込んでいくのはどうかなと、正直気が引ける。
『そいゆうのは、龍神の者に、相談するべきだろう。伊達に、ソナタより、長く生きていない…』
ー…ん?
今のは…。
『頭堅いまではいかないが、チャラい脳をしていると言われないか。所謂、頑固というか、単に、自分の美しさに…見とれている阿保だと…』
いや、それ『ディーラーア』だった時に、言われていた渾名。
もしかして、そのあだな渾名じゃなく、他にあったのか不思議。
だけど、言われたら彼、凄く、自分好きだよね。見るからにして、タイプに五月蝿そうな男。
間違っていないから、何とも言えないのが悲しい。
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