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【リンアside】 鳴呼、この空間に閉じ込められて何千年になるのか。 いい加減に、解けないものだろうかなんて考えている。だが、私自身がこなせる業じゃないのは確か。 母様の術は、特殊だ。 解くのに、人生の半分以上を削る。 考えただけで、鬱。 昔々、聖界を創った神は、娘に、新たなる試練を、与えた。 人生を、時空の中で過ごすとは、予想していなかったからだ。 誰が、娘を、時空の中に閉じ込める母親が居るだろうか。 それは、理由があるのは解っているが。私には、母様の考えが解らないのだ。 解せぬ。 実は『アリドラ』に、引っ越しをする前に、母様の書斎部屋に、入った。 其処で、見つけたのは、近代未来の歴史やら、古代の魔術に関して、ぎっしりしていた。しかしながら、ディーラーアと、出逢う事まで、予測していたのは侮れない。 其処に、記されていた内容はあまりにも貴重過ぎる物ばかり。 置いていても、長年眠る事になるから、持ってきたが。 正直、何時、使おうか困る。 『天使、花から生まれてきます。ほんのちょっと、不思議な生まれ方をする者も居ます。月の光を浴びながら生まれると、神々しさが増すわ』 そんな論文を、立てていたか。 ー…私にも、創りたい世界があった。 娘が、伸び伸びと、生きていける世界。 憧憬していた頃は、楽しかった想い出がある。 こんな世界が創れたら、理想そのものだった様な感じがしたが、現実は、上手くいかないと、思い知らされた。 人類を創ってみたが、知恵を付けて、私達の加護を受ける事を、断る者は、皆、追放され、魔界へと堕ちていった。 統計を担当している父様ですら眉間に皺を寄せていたのを覚えている。 魔界貴族の最高峰である私の父親が、うねりながら考えている姿は、何とも言えなかった。

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