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第八章:翳りの序章(ディーラ-アside)

ー千年前 とある魔術知識により、俺は、ある書物を、手に入れていた。 それは、もう、素晴らしい発見だ。が、妻であるリンアには、理解出来なかった。 何故、新しい発見に、感動が出来ないのか、口論したが『私には、興味無い事だ』と、一網打尽にされた。 世紀の発見になり得るかも知れないのに。実に、惜しい妻だ。 それと同時に、かなり秀才でもある。 養父が、魔界を唸らせている貴族最高峰の大公。 ま、あの時は、お世話になったが、娘を呼び出す為に、義理の息子を、犠牲にするとは、魔界ならではのジョークなのか。 ー…よくよく考えたら、リリアンあたりで。 ミステリアス。 故に、魔界の大公となれば、もっと迷宮入り。 要領範囲が、違う。 そして、俺は今、彼女の母親により、ある場所に、閉じ込められている訳であり。 『アリドラ』の一件以来、義理の母親は、俺を時空旅行という地獄を味合わせる。それも、恐ろしいくらい、走馬灯が見えるスピードだ。 一度、味わったら、恐怖。 もう…。 二度と、戻ってこれない。 『大死神の血を引く、龍族最後の生き残りディーラ-ア王。私の娘を嫁としてもらった男。叔父様の血を引いているとか、必然ですわ…』 俺は、驚いた。 これが、叔父様が話していたリンアの母親。 聖界『リアトル』を創った女神。 魔界ですら、騒ぐ、女性。 初めて、目にしたが、小さい。 『へーっ…噂は、本当。その中に漲る力は、正しく、死神界に属する者の証。でも、リンアよりは、術使いには長けているのかしら?龍族って、キャリア世界というか、攻撃力が強い生き物だと思っていたから、少し、書物で勉強したけど、未明な部分もあるから、実験材料にされていると聞いているわ…』 彼女が言う様に、最近は、龍族の御子を狙い密売されたり、実験の材料にされたりしている。 龍族の知識は、高く、色んな方法を使えば、近代文明の発見になる分、脳科学あたりは、特に、興味深いだろう。

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