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「ごめんっ」
「あやまんな。なんてことない。飯食うのと一緒だろ?」
「……っ」
「遠慮すんなっ。俺も遠慮なくお前を貰うから!」
虎鉄が千雪のシャツを強引にまくり上げ、荒い息をつく白い胸を露わにさせる。
「虎鉄っ! やだ!」
鍛え上げられた虎鉄の身体と比べたら白くひ弱に見える身体をまだ明るい昼下がりの窓辺に晒されるのが恥ずかしくて、千雪は細越をよじって腕を伸ばし掛け布団を引き寄せようとしたが、獲物を押さえつける猛獣のようにしなやかな動きで虎鉄が間髪入れずに覆いかぶさってきた。
「綺麗だから、全部見せろ。俺にもお前を食わせるんだよ」
「……!!」
「だから。もっと飲め。俺の血に酔うんだ」
再び牙を突き立てた瞬間から迸る虎鉄の甘く濃厚な血を口いっぱいに味わいながら、千雪は艶めかしく身体をよじり身悶えながら喉元を鳴らす。
あの時から、千雪は度々虎鉄が捧げる血の誘惑に負け、彼と互いに互いを貪り合う、凡そ親友同士の範疇は逸脱しつつも名前を付けがたい、どちらが獲物とも捕食者とも言い難い関係に陥ってしまったのだ。
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