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 さながら極上の美酒のように、顔がほてり身体が熱く燃え上がる。涙が伝う頬に血の気が戻り、艶めかしく色づく唇からは乱れた吐息が零れ続けて満足げな顔をした虎鉄の耳を打つ。 「美味いか?」 「んっ……。おいしぃよお。虎鉄の、すごく濃いのっ」 「沢山飲めよ? もっとトロットロに、酔っぱらった顔みせろよ。あぁ、可愛い。好きなだけ飲み干せ! 」  欲望に掠れた声でそう囁かれ、大きな掌がすでに緩められていたズボンの中に荒々しく差し入れられる。シャツはついに頭から全て剥ぎ取られ、しっとりと汗がにじんだ薄い腹から胸を大きな熱い掌がまさぐる。 「んっ。んん」     赤子が懸命に乳を吸うように、んっくんっくと夢中で肩口に吸いつく千雪の頬は血の気を帯び幸福気に薔薇色に染まる。虎鉄は肩口に喰いついたまま離れぬ千雪の細腰を抱えながら鍛えた身体で軽々と起き上がり、ジャージのズボンを押し上げていた猛り切った自らも取り出すと互いの高ぶりを大きな掌で諸共に摺り上げた。 「ああっ……」  飲み込み切れぬ虎鉄の血と共に口元から嬌声を迸らせ、それでも貪ることを止めぬ千雪の熱く細い身体に片腕を回して虎鉄にぎゅっと抱きしめられる。言いようのない安堵感を得て、千雪は虎鉄の頑強な肩にほっそりと白い二の腕を投げ出すと、涙が端に残る大きな瞳をうっとりと閉じた。    「千雪、気持ちいい? うまいか?」 「んンっ」 「ほらもう、限界だったんだろ? 意地張ってないでそう、素直に俺を欲しがればいいんだっ」

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