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しかし小学生も高学年ともなると、千雪も他の少年と同じく思春期への入り口に立ち、虎鉄と対等に接したいとわざと粗雑な言葉を使ったりつんっと澄ました雰囲気を装って、世話を焼いてくる虎鉄を遠ざけるそぶりを見せるようになった。小6で初めてクラスが分かれてしまって、虎鉄は余計に千雪の姿をいつでも目の端に追うようになってしまっていた。  そんな折、運動会の総合練習の最中。  千雪がいつもよりひどい貧血を起こして倒れてしまった。後から千秋さんに聞いたところによると、幼いころから母親の血を舐める程度で解消していた千雪の貧血が、急激な成長に伴いそれでは足りなくなってきた時期だったのではないかということだった。  とにかくいつでも千雪の姿を目で追っていた虎鉄は隣りのクラスの隣の列に並んでいた千雪の身体が傾いだのを見るとすぐさま飛びつき大事には至らなかった。  そのまま誰にも千雪を触らせず、背負って保健室に運び入れた。先生が忙しくしている間に千秋が迎えにくるまで付き添うと約束を取り付けて千雪を見守っていた。  目覚めた千雪がとった行動は虎鉄にとって驚くべきものだった。千雪を助ける時に追ってしまった膝の傷。ざぶざぶと洗っていたが乾かしててからテープを貼ろうとしている間にまた血が滲んできていた。それを目にした千雪の目の色が明らかに変化し、元々黄色味を帯びた瞳の半分が水に薄めたルビーのような不思議な赤みに染まっていったのだ。  白い靴下ははいたままほっそりベッドから長い足で降り立ち、虎鉄の方に向かってくる千雪はまるで天使のように愛らしいのに、その目は欲望に濡れて艶めかしく、虎鉄は下腹部にずくっと欲望の疼きを感じるほどだった。  少し前兄のスマホで覗き見た、大人が性的な奉仕をするような体勢に足の間に跪かれ、流石の虎鉄もたじろいで椅子から転げ落ちそうになった。しかし千雪が思ったよりも強い力で虎鉄の足を膝裏から掴み、赤い唇から覗く桃色の舌がゆっくりと近づいてくる様は、どこか現実のものではないようにも思えていた。少し前から見ていた淫夢の中の千雪がこんな表情で虎鉄を誘ってきていたからかもしれない。朝起きて濡れた下着を見ては自己嫌悪に陥っていたが、無意識に求めることを自分でとめることはできなかった。  

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