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『フリア』始まって以来の、大事かも知れない。 だって、この僕が、関係している。 フリアの第五皇子の息子『リヤール』。 従姉は、恐怖の女王とも言われている『カミリア』。 この世で、最も、犯罪臭を、漂わせる王妃と言いたいが、多分、漂わせているのは、夫であるヒレローラだ。 男性は、椅子から立ち上がり、窓へ、足を移した。 こいゆう月が綺麗な日は、何かが起きる。 「昔、そいゆう御伽話をしてくれたっけ…」 レースカーテンに、手を伸ばし、そっと、開くと、魔界の夜が広がる。 彼は、この景色を、リビングで、見るのが好きだ。 此処は、特等席だと言える。 下界で言うなら、香港辺りの夜景を見ている感じ。 「景色を、見せてくれたのは、叔母様だけど…」 何でも、思い出がある場所だと、笑って、教えてくれた。 『何時か、来る未来の』 なんて、言ってくれたけど。 あれは、深い意味がある。 夜空に…。 広がる世界って、久しぶりだ。 「『昔々、この國には、七人の王が存在しました。しかし、いつの間にか、五人の王になりました』。天地開闢の始まりとも言える戦争が、絶えない時に、僕は、産声を上げました。“夢見る蝶”という意味で、名を『リヤール』と、名付けたそうです。その、特徴は、叔母様と一緒の体質でした…」 リヤールは、ふっと、思い出した。 最近は、仕事の忙しさにかまけて、寝ていないが、レム睡眠が、出来てないだけであり、後は、普通。 それ以外と言えば、親族達には、体質を隠している事だろうかなんて、安易な考えが出てきた。 体質をしっているのは、従姉のカミリアだけであり、他の一族には、話さなくっても良いと、思っている。 知った所で、リヤールの体質が、変わる事はない。 夢の中で生きる者としての条件であった。

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