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【ヒレローラside】
此処は、第二圈に存在するブルブェニ城ではあるが、時折、ピアノの音が入ってくる。
第一圈『辺獄』またの名を『リボン』等と呼ばれている『フリア』が、所有する場所。
名の通り『洗礼を受けなかった者』という罪が、軽く。
最も、天界に近いと言える。
だからだろうか、何処からともなく流れてくる曲が、一族の者が弾いていると、解るのは。
「今宵は、リヤールか」
あの、弾き方からすると、曲は、ドビッシュの『月の光』。
ピアニッシモを、強くする事で、インパクトを与える事が出来る。
選曲にしては、良いセンスをしているが。
「何処か、儚い感じの顔が浮かぶよ」
あれでも…。
カミリアの従弟。
少し、不思議な感じの青年だが。
隔世遺伝かは、知らないが、銀色に近い髪色をしている。
瞳は、夜を思わせる紫暗色と言えばよいのだろうか。
「フリアの家系には、確かに、夜を思わせる瞳を持って生まれる御子も居るけど、髪色に関しては、ブルブェニの遺伝というより、叔母様の影響かな。それとも、淡い紫色が嫌で、脱色とか?」
思わず、自嘲気味に笑う。
リヤールに関して、それは、ないか。
反抗期で、髪を染める子も居ると言うし。
大体、リヤールの親は、カミリアの父親の兄。
早々に、反抗期を起こすというミスは、起こさないだろう。
ああみえて、厳しく、育てている。
そして、叔母様を見ると、逃げてしまう。
『ヒレローラ、ソナタは、アレが、恐くないのか』
『恐いも、何も。一番、濃い血を引いている私からは、叔母様が、可愛らしいモノだと思っています…』
そこまで、警戒する必要も無いと、思う。
ちゃんと…。
立地が、揃っていればの話だけど。
その辺を、彼に、求めても、意味が無い。
叔母様の…。
性格からして『面白そう』と、付け加えそうだ。
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