5 / 13

1ー3

カラかいがあれば、カラかうのが、叔母様のやり方。 だが、たまに、見込みがある者は、跡継ぎに、選ばれる。私の息子が、そうであった様に。 私も、その一人だと言える。 ー…確か。 カギリが、幼い時に、一度、出会してから言われたんだっけな。 『次期魔王』と。 それを聞いた時、カギリは、焦ったというより、驚いたと、一言、吐いた。 魔王選びには、叔母様が、携わっているのは、知っていたが、直に、目の当たりにするのは初めてだったらしい。 『父様の場合は、どうでした?』 『私?私の場合は…』 おどけて見せたが、真剣な顔をして聞く物だから、黒歴史とも言える魔王候補者選びの引き出しを開いたよ。 『こら、人の顔を見て、逃げるとか、良い度胸していますわ』 『いえ…。私には、悪どい顔をして…今、正に、私を捕まえようとしている叔母様は、知りません…』 『貴方、魔王候補者でしょう。第一圈を、管轄しているのなら、フリアから、候補者が上がっているの解っているでしょう。後、二人は、ブルブェニからだけど…私は、貴方が良いと思いますわ…。アウル叔父様にも、話しておこうと思います。辺獄を携わっているフリアからだったら、魔王の椅子、つまり、変化の座に、付くのは、ヒレローラだと』 『それに、関しては、考えさせて下さい。代々、椅子に座るのは、違ってくると聞いていますが、私が座る席は、何代目かの魔王が、座った席。故に、セリデュック伯父様の席かも知れないという場合も、考えられます。もしかしたら、愛欲の座かも知れません。ですから…』 悩んだ。 凄く、悩んだ結果、魔王として、君臨した。 叔母様に、首根っこ掴まれて、引き摺りながら連れられて行った場所で、硬直したのを覚えている。

ともだちにシェアしよう!