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第二章:ブルブェニの皇女様は、多々忙しい。

-魔界·第二圏·ブルブェニ城·廊下 「お待ち下さい!カミリア様」 慌てて、追いかけ回す、侍女が、女性の名を呼ぶ。 『カミリア』と、呼ばれる女性は、魔界五代王族『フリア』の皇女様だが、この度、ブルブェニの皇子の元へ、嫁いだ娘。 ピチピチの十八歳である。後に『恐怖の女王』と、名を、轟かす。 「嫌だって、言っているじゃない。何で、会議に、出なければいけないのよ…」 「-…ハ、ハヅキ様ぁ、リトルベアー隊を」 息を切らせながら、彼女は叫んだ。 すると、何処からともなく、四方八歩に、小さなベアーが現れた。 俊足かつ、機敏な動きをしている。 「げっ」 『だから、僕、忙しいのに、リトルベアー隊を出す羽目になるとか、有り得ないんだけど。カミリア様、一人…捕まえられないで、どうするんだよ』 「も、申し訳ありません…」 鳴呼…。 これは、暫く、使い物にならないな。 そんな事を思いながら、水鏡で視ていた男性は、倒れた侍女を哀れむ訳でもなく、ペンを持ちながら、考えた。 普通なら、此処で、失格なのだ。 けれど、今回を入れて、百八十人になる。 女性を捕まえられないまま、落としたら大変な事になるのを彼は、知っていた。この、魔界を収めている主である魔王に。 これで『無理でした』なんて、報告したら。 -…大変だよね。 温厚な彼でも…。 流石に、青筋が、二本くらい立ちそうだ。 「卑怯よ。何で…ハヅキと、タッグ組んでるのよぉぉぉぉっ」 『観念して下さい、カミリア様。ヒレローラ様の、命令です!』 「嘘っ」 『嘘じゃありません。『私の妻を、捕まえられる侍女が、欲しいな…。ハヅキ』と、笑顔で…言われました』 それはそれは、大層な笑顔を浮かべた魔王は、愛する妻を捕まえてくれる侍女が、ほしいと、部下に、懇願したのでした。 結果は、今、判定に悩んでいるハヅキである。

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