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狼と兎が流れ星に祈る時 最終話【狼視点】

「なんだよ、これ……くぅ、あぁ!」 「あ、あ、あん!はぁ……寛太(かんた)……寛太……あぁぁぁ!」  あまりにも強い快感に、悲鳴をあげてしまう。  これが、番同士の交尾……。  少し腰を動かすだけで、とんでもない快感が全身を駆け抜けた。 「あぁ!!あ、あはぁぁ!もっと奥……寛太、もっと奥突いてぇ!!あぁぁ!!」  腕の中の(わたる)が、体を捩らせて悶えた。  自分の気持ちいい所を擦って欲しいのだろう。腰を卑猥に動かしている。  その姿がエロ過ぎて、可愛くて、大好きで……。 「気持ちいい?」  そっと耳打ちすれば、 「気持ち……いい。気持ちいいよぉ……でも、もっと……もっとちょうだい?」  あまりにも気持ちいいのか、生理的な涙が頬を伝った。  顔中、涙と涎でグチャグチャだけど、もう全部が全部、可愛くて、愛おしくてしょうがない。 「俺もメチャクチャ気持ちいい……あぁんぁ!」  俺が動く度に、クチュクチュと結ばれた場所からから卑猥な音が鳴り響く。  トロトロと航の後孔からは愛液が溢れ出し、それがたまらなくエロい。  パチュンパチュンと深く侵入する度に、航がビクンビクンと大きく体を反らせた。 「出すぞ……」  俺は無意識に航の首に噛みついた。血が滲み、シーツにシミを作っても噛み続けた。  まるで狼みたいに。 「寛太、お願い……中に出して。中に……」 「わかってる。お前の中に……だよな?」 「うん、いっぱいちょうだい?赤ちゃんができるくらい。いっぱいいっぱい……」 「馬鹿。可愛すぎんだろうが?」  チュッと優しくキスをしてやれば、嬉しそうに微笑んだ。  パチュンパチュンと無我夢中で腰を突き上げれば、 「はぁ、あッ……!!気持ち良すぎる!!」  つい口から喘ぎ声が漏れてしまう。  航は半ば意識を飛ばしかけ、ただただ気持ち良さそうに、ゆさゆさと俺に揺さぶられ続けている。  そんな航の唇を捕まえて、甘い感触を思う存分堪能した。  ただ、もう航にはキスに応える余裕さえなさそうだけど……。 「あぁん……気持ちい……かんた……かんたぁ……」  繰り返し名前を呼ぶから、 「大丈夫ここにいるだろうが?ずっとずっと一緒にいるよ」  きつくきつく抱き合って、絶頂を目指す。  ズンッ……!! 「ひぃぃん……!!やぁああ……んあ!あぁぁぁぁ!!」  航が悲鳴を上げると同時に、最奥の最奥へと自身を挿入しビュルルルと精を吐き出した。  温かいものが航の中へと移動していく感覚。そのあまりの気持ちよさに身震いをする。  航の中が、一滴でも逃すものか……と言わんばかりに、ビクンビクンと痙攣し俺を締め付けた。  俺の遺伝子よ、航の中で冒険しておいで。  そんな事を思いながら、航の上に倒れ込む。 「寛太……ありがとう……」    そんな俺を、優しく受け止めてくれた。 「愛してるよ」  耳元でそっと囁かれて、俺の鼓膜が甘く震える。 俺達は色んな運命に翻弄されて、泣いたり笑ったりしたけど、最初から最後まで変わらなかったのは、航の『愛してる』って言葉だった。 何度も何度もこの言葉に勇気づけられ、救われてきた。 何度見ても心が温かくなる、首筋の噛み跡。 「俺も、航が大好き。愛してる」 心を込めて伝えれば、航が天使みたいに微笑んだ。  狼と兎の儚い夢は、2匹の揺るぎない愛情により実を結びましたとさ。  兎が胸を震わせて思い描いた、決して叶うはずはないと諦めたちっぽけな夢に。  狼が兎を思い、渇れ果てるまで流した涙。  その先には何が待っていたのか……。  辛く苦しい時は流れ星に願いを託し、どんな時にも最後まで決して離れないたくないと、悲しい運命すら一緒に乗り越えようと、誓い合った狼と兎の幸せそうな笑顔でした。 【第1章 終わり】 *第2章へ続く*

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