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11章(21)★
ビーズクッションにもたれかかる尚紀に、ねえ尚紀さん、と颯真から話しかける。尚紀は、少し顔を上げて涙目を颯真に向けた。
「少しお手伝いするよ」
そう言われて、尚紀は首を傾げた。颯真が言うお手伝いの意味がよく分からなかった。
「お尻の奥に指を挿れて、少し刺激するね」
そう説明されて、沸いた頭であっても何をされるのか理解できた。驚き戸惑うが、颯真は看護師と共に淡々と準備にとりかかる。
颯真は下半身に掛けていた布団を剥がす。下は無防備でなにも着けておらず真っ裸なのだが、颯真も看護師も気にしない。
「少し寒いけど、ちょっとだけだから我慢してね」
尚紀が固まって頷くことも出来ずにいると、颯真が背中をさすってくれる。
「大丈夫。これは処置だから。リラックスしてね」
「西さん。ちょっと前ゴム被せますね〜」
尚紀の正面に屈んだ看護師が、布団を剥がされて露わになった、勃ち上がったままの中心部を掴んで、するすると薄膜を被せる。
恥ずかしい、と思う間もないくらいの早技だった。そして露わだった下半身は大きなタオルで覆われた。
すると、クッションにもたれる尚紀の背後に颯真がいた。
「尚紀さん、指挿れるね」
そのままでいいよ、リラックスしててね、と言われて背後を指で這われ、その場所にぐっとためらいなく指が埋め込まれた。
「あ……っ!」
痛いわけではなくて、その衝撃と充足感に思わず声が上がり、とっさにクッションで口を押さえる。
自分の手ではないものがデリケートな場所を刺激していることに、身体が驚き、頭がついていかない。
思わず、衝撃と快感で声が漏れるのが止められない。
「ここなら外に聞こえないし、声は我慢することないからね」
颯真にそう言われて、尚紀は素直に従う。
颯真の刺激は的確で、確実に尚紀を追い立てる。勃ち上がっていたものはさらに質量を増して、ふるふると震えている。
「はぁ……!」
背筋がしなる。
「ぁぁ! はぁ!」
しかし、背後の颯真の声は淡々としていて。
「これから中を少し刺激するから、できるなら射精しちゃおう」
ああ、やっぱりそこまでいくんだよね……と思ってたりもして。
「何も考えないで、気持ちいいことだけに集中して」
そう優しく言ってくれた。
颯真のその言葉に尚紀は素直に頷いた。颯真の指は優しく尚紀の中を掻き回す。尚紀が頷いたことで、颯真が広げるように指を広げては回して、と快感を引き上げていく。
「がんばって、もう少しだよ」
優しく颯真に言われて、尚紀の身体は力が抜けて、ビーズクッションにますますもたれかかる。
「はぁ……あ……ん」
口から喘ぎが漏れる。颯真には「きちんと声を出してえらいね」と褒められる。
颯真の手が与える刺激は的確で、尚紀は腰がゆれるのを止められない。
「じゃあ、いくね」
そう優しく言われて、体内の敏感なその場所に触れられた。
「はぁ……ああ!!」
絞り出すような声をあげて、尚紀は達した。身体が跳ねて、弛緩する。白濁はそのまま薄膜が受け止める。
「ちゃんと出たかな。お疲れ様」
何が起こったか尚紀にはいまいち理解できなかったけど、労われて、安堵した。
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