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15章(15)★
抱きついてしまうと容易に離れられない。
尚紀はそのまま廉の首筋に齧り付いていると、廉は好機と思ったのか、下着の中にするりと指を入れ込んできた。
思わず息を詰める。
「怖い?」
そう言われて、恐怖を感じているように思われたのかと思う。大丈夫です……と呟いた。
「でも、すごくドキドキしてます……」
そう言うと、優しく廉が笑う。
「俺もドキドキしてる」
「廉さんも……?」
「大丈夫。優しくするから」
リラックスして、と言われた。
「無理ですよ〜」
尚紀が甘く嘆くと、廉が再び唇を重ねてくる。舌が入り込み、尚紀はそれを優しく受け止めた。先ほどよりも濃厚に廉の香りを感じる。高校生のあの春の日に、もう今後の人生で交わることはないだろうと背中を見送り、諦めた相手。あの時の切ない気持ちはまだ記憶に残っている。なのに、十年を経てこのようなことになっていて、人生とは本当に分からないものだと思う。
自分が微笑むと、隣の廉も喜んでくれる。
この人と人生を重ねることができている幸せ。
廉の舌は優しく尚紀の舌を誘い、絡ませてくる。その濃密さにうっとりしていると、廉の手が脚を優しく触れてきた。
唇が不意に離されて、間近で問われる。「いくよ?」と。指は腰元の下着にかかっている。尚紀は頷きで返した。
するすると下着を下ろされ、フロント部分の象徴がぷるんと勢いよく飛び出た。尚紀は下着を下ろしやすいように身体を捩り、そしてその場所がかいほうされるように空気に触れたことを自覚した。
「ん……」
思わず声が漏れた。ちょっとまってね、と廉に言われて、尚紀が腕を緩めると、彼は身を起こして、するすると下着を取り払ってしまう。彼の視線は……。
「愛してるよ、尚紀」
廉にそう言われて、反射的に僕も愛してます、呟いた。視線のその先はふるふると震え勃つフロント部分で、尚紀が少し腰を揺らし、廉を誘惑した。だって、もう早く触ってほしいから……。
尚紀は誘うのが上手いな……と漏らして、廉は指を絡ませた。
温かい手が、中心に触れる。その刺激に腰が否応なく揺れた。ああ、と口から漏れる小さな悲鳴。
今、僕のを、あの廉さんが触っていると思うと、嬉しくて恥ずかしくて幸せな気分になる。
そしてもっと、と本能が刺激を求めている。
廉の視線は完全に尚紀の下半身に移っていた。そこをそんなに見られると恥ずかしいけど……、愛する人に身体を開かれる喜びもある。露わにされたその場所を少しでも視界から隠したいけど、廉に脚を割り開かれてしまう。
「綺麗な脚だ」
そう言って、いい子だねとあやされて、中心部に手が伸びた。彼は全裸であられもなく中心部を滾らせた尚紀の姿をみて満足に浸っている。その場所をゆるゆると刺激して、喘ぐ尚紀を楽しそうに優しく見下ろしている。
彼の手は、尚紀の中心を指先で煽り、絡ませ、官能を引き上げてくる。そんなふうに廉に刺激を与えられてしまうと、尚紀は目を閉じて喘ぐだけしかできないし、すぐに限界点まで達してしまいそう。
「あっ……あああ……ん」
息も絶え絶えで意味もない感覚だけの言葉が漏れる。
「い……っちゃう」
辛うじてそう訴えると、廉はいいよと優しく言って、先端を刺激した。
「あああ……んっ」
尚紀の勃ち上がったフロントがとぷとぷと白濁を吐き出すと、廉はふにふにと袋を触っていた。それがまた気持ちよくて、うっとりする。
「可愛いな……」
廉の満たされたような呟きに、尚紀は彼に愛されていることの喜びをしみじみと実感した。
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