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15章(17)★

「へえ、最後まで行ったんだ。それは何よりだ」  退院してすぐの診察。  尚紀は、当然のように主治医の颯真からその後の進展を聞かれた。    主治医からストレートに問われるのはとても恥ずかしいが、それでもきちんと報告する。  無事に廉さんと行為ができました、と。  颯真は自分から訊ねたにもかかわらず、一瞬驚いた表情を見せてから、即座におめでとうと祝ってくれた。 「すごいね。退院した日か。体調は大丈夫だった?」 「はい」  颯真によると、確かに発情期が終わった直後なので、フェロモンが安定していて関係を結びやすいタイミングではあるという。しかし、このタイミングで難なく結ばれるケースというのもあまり多くはないそうだ。  それは、ようやく到来したその時に、アルファが逸ってしまったり、オメガの体調が整わなかったり。状況が整い結ばれやすいが、難しいタイミングでもある。だから颯真も廉に対して、急ぐなとアドバイスをしていたとのこと。 「本来はアルファとオメガのセックスは、オメガのペースで行われるべきなんだよ」  颯真も嬉しそう。  確かに廉は尚紀の反応を見ながら慎重に進めてくれた。丁寧な行為だったと思う。そんな彼だから、尚紀も安心して全てを委ねることができたのだ。  廉は、主治医からのアドバイスを踏まえて、その期待に完璧に応えたといえるのだろう。 「二人は、本当にそもそも相性がいいんだろうな。番になるべくしてなる相手なんだろう」  心なしか弾んだ声で呟いて、端末に経過を打ち込んでいた。  行為の最中、尚紀は最初から最後まで、何度もぽろぽろと涙をこぼしていた。  それは過去の自分を振り返り、ここまでの道のりを思って感極まったということもあるし、廉の優しさが身に沁みたということもあった。  尚紀は、体を開き廉をその身に収めたまま、ぽろぽろと涙をこぼしていた。廉は、尚紀の目から溢れる綺麗な涙を吸い取り、ちゃんと見てと促した。 「俺は尚紀の隣にいる。これから離れることはない。ずっと一緒だ」  廉さん、と尚紀が呼ぶと、廉が腰をこつんと突き上げた。それは予想外の行為で、気持ちだけでなく身体も、と言われている感じがした。 「尚紀を感激させて泣かせるものいいんだけど、今は気持ち良くてぐずぐずになって、いく顔が見たい」  ストレートに、俺で気持ち良くなって、と言われて、尚紀は少し恥ずかしくなったが頷いた。  そう、しっかりと身体で、肌で、彼自身を、体温を感じたい。  彼のフェロモンに溺れたい……! 「ください……廉さん」  そう小さくいうと、彼はわかった、と頷いてくれた。 「あっ……ん!」  廉の形に馴染んだその場所から、尚紀の官能が引き出される。  身体を重ねて、唇を再び交わす。  彼の唇が尚紀の唇に重なって、柔らかい舌が入り込み、優しく引き出される官能にうっとりした。今日は何度も何度も……、たぶんずっと思っている。廉とのキスって気持ちがいい。 「愛してます……廉さん」  気持ちが溢れてそう告げると、廉も目の中に艶めきを含ませながらも優しく、俺もだよ、と答える。だから、俺だけに見せて、と。  ガツンと突かれた。 「ああっ……!」  湿り気のある肌が当たる音がする。廉の形に馴染んだその場所は、快感と衝撃で理性が飛びそう。引いては突かれるその腰の動きと同時に、手で欲望に塗れたフロントも刺激されて、尚紀は衝撃を受け止めて喘ぐなかで理性を手放しかけている。啼いて喘いで、彼を求めて手を重ねて握り合い、そして果てた。 「ああーーー!」  それに引き出される形で廉も果てる。 「くっ……!」  アルファの吐精は長い。うっとりしながら尚紀の中に吐き出す廉の恍惚とした表情を、開放感のなかで目の当たりにする。  この表情は自分しか見られないのだと思うと、廉の大切な部分が自分の一部になった気がした。 「本当に幸せでした……」  そう尚紀が総括すると、それで終わらないで、と颯真に苦笑しつつ嗜められた。 「これからだから。もう廉が放っておかないと思うけど、営みは続けてみてね。フェロモン抑制剤は同じものを出しておくから」

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