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第10話 「省吾が来てからの一週間さ、一度も魔物が壁を超えて襲ってこないんだよ」☆

「あっ! ……やだ、そこ、気持ちいいっ」 「気持ちいいならヤダじゃねーだろ」  ちゅう、とミロは省吾の乳首を吸う。びくびくと体がはねた。 「だって……、なんか、へんっ。男なのに、気持ちよくて……」 「気持ちいいんだ」  ニヤリと笑われて恥ずかしくて視線をそらす。まだ二回目なのにミロにいじられると乳首で感じてしまって気持ちいいと思ってしまった。  まるで女性に対するようにミロは執拗に胸筋と、ついている突起をいじる。下にはミロの怒張したモノが入っているので中からも外からも責められている状態だった。 「省吾、乳首いじめると中がきゅうって締まるの。自分でわかってる?」  からかわれるように言われて頭が白くなる。とっさに首を横に振った。 「んなの……、わかんね……」 「わかんない?」  ふ、とミロが口角をあげたかと思うと、 「あぁあっ」  ずん、と奥に刺激が走った。ずくずくと高められていた性感が弾ける。気持ちよくて泣きそうになった。 「あっ……、あ……」  びくびくと体を震わせて快楽に耐える。ペニスから精液が飛び出し腹を汚した。 「ははっ……、一気に8割くらいも溜まった」  言いながら更にミロが腰を動かす。彼の方はと言うとまだ硬いままだった。 「やだっ……、休ませて……、も、さっきイッたばかりだから」 「うん。かわいかった」  言いながらも奥を狙ってくるものだから省吾はシーツを掴んで耐えるしかなかった。ミロは省吾の手を掴んで自分の背中に回させる。 「こっち。爪立てていいよ」  手を通じてミロの体温が伝わる。汗に濡れた肌の感触で更に心臓が高鳴った。  ちゅう、とミロが乳首を吸う。ぷっくりと硬くなったそこが唾液でてらてらと光っている。 「んんっ……、あ……、ミロ、すげー、なかっ……、きもちっ……」 「んっ……俺も気持ちいい」  ミロが口を離し、至近距離で見つめてくる。ドクドクと胸が高鳴る。昔は蓮に感じていた感情を、今はミロに対して感じてしまっていた。  省吾は口を半開きにした。 「キス……、キスして……」  ミロのほうもその気だったのだろうか、すぐに彼の唇が降ってきた。中に熱い舌が入ってくる。舌と舌を絡めて、上でも下でも繋がって溶けてしまいそうだった。  頭ではもうずっとチカチカと白い光がスパークしている。 「あっ……、またイく……、おねが、もうイかせんのやめて……っ!」 「あとちょっと。あと少し頑張って。省吾の中、気持ちいい」  唇の前でそんな事を告げられて、吐息がかかる。再び口付けられて、あっけなく達してしまった。  びくびくと薄くなった精液を吐き出すペニスを見てミロは満足げに笑うとガツガツと強く腰を動かす。  気がおかしくなってしまいそう。  溺れるような快楽に何回かメスイキをしていたらやっとミロのものが抜けていって太ももに精液がかかる。外に出してくれたのだ。  はぁ、はぁと絶頂の余韻にひたり息を整えている省吾の腹にミロが手を置く。ついていた精液を軽く拭い、出てきた紋章を見て口角を上げた。 「ははっ……。また一晩で満タンになった」  う、と省吾は隠すように腹に手を置くとごろんと横を向いた。彼と目が合うようにミロもその隣に横たわる。 「なんだよ、いいことじゃねぇか」 「そうだけど……、恥ずかしいんだよ」 「そうか? 俺は嬉しいけど」  言うとミロはつ、と人差し指で紋章をなぞる。ピンク色の光を薄く放ち、中央のケージはフルの状態になっている。  彼の目が見れないながらも、ミロの機嫌がいいのは省吾も嬉しかった。  未だに心臓がバクバクとうるさい。  省吾はもう気がついていた。自分がミロのことを好きになってしまっているということに。  蓮の代わりではなく、彼自身を好きになってしまっていることに。  たった一週間なのに、我ながらチョロいものだと思う。けれど、濃い一週間でもあった。  喜んでくれているのならよかった。胸をなでおろす。 「省吾が来てからの一週間さ、一度も魔物が壁を超えて襲ってこないんだよ」  ミロは弾むような口調で言った。 「これまでは一週間もあれば大小4体以上は入ってきて、その度に俺等親衛隊も夜間警備に駆り出されてたんだ」 「……そうなんだ」  そうはいっても省吾がしていることはセックスなので実感がわかない。 「おう。おかげですっごく助かってる」  に、とミロが笑う。  そうか。役に立っているのか。  嬉しいけれど同時にミロにとって自分とのセックスが警備の一環であるとつきつけられ複雑なような気持ちを持て余し、省吾は曖昧に笑った。

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