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第一章:昔々のお話。

時は、平安時代。 王宮を、轟かす時の左大臣には、凄く綺麗な娘が居た。 黒い艶髪は、シルクの様に、綺麗で。光を浴びれば、輝かんばかりの神々しさがある。 玉の様な白い肌、日本人ならではの瞳というより、西洋人形を思い描かす青水晶色の大きな瞳が特徴。 何でも、母親は、有名な術師の家系で、神の血を引いていると、言われている。 そんな特殊な家系のせいか、一目置かれているのは、彼女自身も解っているが、其処は、プロフィールを見れば解る情報だ。 まだ、誰も知らない情報が、存在しているのは、確か。 「お見合いに必要だからって、個人情報を公にするのは…どうかと思うの。私が、藤原の家系だった場合を考えたら、帝に必要な情報だと思います。しかし、其処で、宮廷に、嫁げるかも解らない理由が出てくる」 帝の寵愛を、受けようと、宮廷内は、女の争い事が絶えない。 醜い骨肉の争いをして、楽しいのかを問うてみたい。 必死に悩む女性は、手鏡に、自分を映してみる。 女性特有の顔立ちに、ぷくりとした唇には、紅いべにが塗られていて、妖艶さを引きは立たせた。 別に、ナルシストではない。自分の容姿を、彼女は、理解している。 しかしながら、自覚アリのナルシストでもないのだ。 単に、母親譲りであろう容姿が、王宮に、広まっているだけであり、ある意味、一人歩きしている様なもの。 だから、彼女は、然程、気にしていなかった。 左大臣の娘である事には、変わらない。生まれた事を、謳歌しようと決めている。 ただ、ほんわかと、過ごすのも、人生を味わう事だと思った。 それは…。 素晴らしい、ちょい足しかも知れない。 甘くなるか、苦くなるかは、解らないけど。 魔法の粉を…。 まぶしたくなった。 白い粉は、煌めきを放ち、消えていった。

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