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思うが、出て来た言葉を飲み込む。
代々、皇華帝に仕えている暁野帝は、少しばかり総帥に、問題がある。
それは、皇華帝の総帥が我儘だから。この場合は、現総帥である『皇華帝 琥炎(おうかてい こえん)』だ。
本来なら、あやめ様の主は、姫咲様。
けれど、頼まれた物は引き受けるしか残されていない。
大事な跡取りである事は、変わりないのだから。いざこざが起きていた時だって、四人の生き神子の家系『煌野帝 雪(こうのてい
ゆき)』が、手助けしてくれたからだ。
そうでなければ、皇華帝は、破滅していた。
「まぁ、琥炎様の独断は、皇華帝では、暗黙の了解だし、自負している。故に、生き神子であらされる朱巍(あかぎ)様は、大層な溜め息を漏らしていたよ。私が、彼に仕える意味を、一番理解していらっしゃる」
「恐ろしい程に、天然ですがね…」
「何時かは、水春も仕えるかも知れないし…契を交わすかも知れない。それは、暁野帝にとって、何を表すのかを解っている。しかし」
彼女は、時折、困った表情を浮かべたりする。
これは、相当な言葉を頂いたのだろう。
水春が契を交わす相手を探さないといけないのは、免れないだろうな。だが、絢瀬様のお目に掛かるだろうか。
果たしたら、自分の家系からとかも考えられるし、光皇帝からという場合も入れておかないといけない。
嫁決めは、重大イベントで、盛り上がりますからね。
-…相手に、不足無し。
否、あやめ様に一手を打たれたら終わり?
「嫁決めには、絢瀬様を通さなければいけないでしょう。それに、北の神子『神楽帝』の現神子が、契の相手を決める時に、お見合いをしたらしいですが、こっぴどく吐かいた上に、バッサリ切ったらしいです…」
天龍帝の若君は、唖然として、トラウマとして残ったと、報告を受けている。
あれから、美人が恐怖で、お見合いする時は、性格が穏やかな人をというのが、条件付けられた。
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