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彼女が、指をぱちんと、鳴らす。
すると白いテーブルが用意されていた。
こいゆう芸当が、平安京にも存在していたけど、今のは、流行っていた芸ってよりは、本物だわ。
「今日は、和紅茶なんて如何でしょうか」
ニッコリと、微笑みながらメニューを促される。
こいゆう茶会は初めてだから、作法は、解らないけど、普通に、任せた方が良いわよね。
「お任せしますわ…」
「本日の和紅茶は、金木犀を使ったフレーバーです。其処に少し」
とても良い匂いがするわ。
私が知っている茶会は、作法から始まり、先ず、茶菓子から頂き、その後に立ててくれたお抹茶を呑む。
しかも、沈黙が暗黙の了解。だから、話ながらというのが新鮮。
「何か、和むわね…」
「紅茶は、良いですよ。色んなフレーバーが楽しめますの。花を主に混ぜるのですが、最近は、チョコレートやバニラ、苺と言った香り付けもありますのよ」
「凄いわ。和菓子で言うと、練り菓子みたいな感じね…」
「此方は、洋菓子が支流ですね。焼き菓子と言って、紅茶に合う様に作られていますわ」
されど…。
和菓子にだって、良さがある。
確かに、目を奪われてしまう品々。
大奥で回り始めた、外国の物と同じで、オランダから『カステラ』というのが上品と言われていたわ。生地の下にザラメ砂糖が付いているほんのり甘い。
だが、此方の焼き菓子というのは、興味唆られるわ。
一体、カステラとどう違うのか知りたい。
「可愛らしいイメージが湧くわ…」
「そうね。可愛らしい物もあるわね。小動物を型どった物があるのだけど、花々を取った物もあるわよ」
頬を染めながら、彼女は、語った。
手のひらに、小さな道具を見せてくれる。
本当に、小動物や花々の形をしていた。
不思議だわ。
こんなので…。
形を取って、お菓子が出来るのかしら。
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