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第24話 二度目の…… ②

タクシーの女性運転手とかすみに支えられながら、瑞稀は部屋に帰り、ベッドに倒れ込んだ。  微かに晴人の香りがし、不安な気持ちが薄れ、涙が溢れる。  時計の針は午後10時を回ったあたり。 「瑞稀くんはゆっくりしてて。もう10時を過ぎてるし、さすがに懇親会も終わってると思うの。その時に晴人さんに連絡入れるね。私はリビングにいるから、何かあったら電話してね」  そう言って、かすみが瑞稀のそばから離れようとすると、 「晴人さんには……言わないで……」  かすみの服の裾を引っ張る。 「かすみさん……僕、一人で大丈夫です……」 「でも……」 「ご迷惑をおかけして……すみません……」  瑞稀は重い体を起こそうとすると、かすみが慌てて瑞稀をベッドに寝かせた。 「今の瑞稀君は心細いし大丈夫なわけない。私、迷惑だなんて思ってないわ」  息の上がる瑞稀の頭を、かすみは優しく撫でる。 「それにね、恋人がヒートで苦しんでるのに、自分だけ知らなかったら、晴人さん『自分は頼ってもらえないんだ』って悲しいと思うわよ。瑞稀くんが辛い時、一番に頼ってもらいたいのは、晴人さん自身なんじゃないかな?」 「……」 「私から晴人さんに連絡入れておくから、瑞稀くんは自分が一番落ち着けるようにしていてね」  かすみはわざとクローゼットを開け電気を消すと、部屋から出ていった。  かすみが出て行った部屋の中は、窓から入る外の灯りのみで薄暗い。  開けられたクローゼットからは、晴人の香りがする。   晴人さんの香に、包まれたい……。  瑞稀は誘われるように、クローゼットに向かうと、晴人の服を手当たり次第出し、ベッドの上に山のように積んだ晴人の服の中に埋もれた。  香に包まれ安心したが、同時に晴人が恋しくなる。  瑞稀の体はより火照りだし、お腹の奥が疼き出し、後孔からは蜜がじわりと染み出してくる。  瑞稀は晴人のスーツやシャツを胸元でぎゅっと抱きしめ、香りを嗅ぐ。  今すぐにでも抱きしめてもらいたくて、触れて欲しくてたまらない。  でも晴人はそばにいない。  ヒートで疼く身体よりも、晴人と離れ離れになっていることが、悲しい。 晴人さんの温もりと香に包まれたい。 そばにいて欲しい。  気持ちは寂しくて悲しくて涙が溢れるのに、身体は本能に逆らえず発情する。  ヒートだから抱きしめてもらいたいわけじゃない。  不安なこの気持ちを癒せしてくれるのは、晴人の優しさだけ…。  部屋中に瑞稀の香りが充満し、瑞稀自身もその香りに飲み込まれそうだ。  時間ばかりが過ぎていき、もう身体の奥からの欲求に促されるまま、晴人の香りが残る衣服に包まれようと、瑞稀から自分の服を脱ぎ捨てた。  うつ伏せになり腰を高く上ると、後孔に指を入れる。  すでに蕩けた後孔からは蜜が流れ、中を弄る瑞稀の太ももへと伝う。  くちゅくちゅとかき混ぜる音がすると、気持ちいいはずなのに、悲しさが増してくる。 晴人さん……晴人さん……。  心の中で呼び続ける。 寂しい。そばにいて……。  そう思うのに、自ら前立腺(弱いところ)を押し続けてしまう。

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