109 / 111

第109話 一つになる ②

「まだイってはだめだよ」  晴人はぷくりと膨らんだ弱いところを人差し指と薬指で挟むと、中指でトントンとノックする。   「やっ…それ…、やだ……。おかしく、なっちゃう…ッ!」  内壁が晴人の指を咥え込む。 「イきたい?」  瑞稀がコクコクと大きく頷くと晴人は優しく微笑んで、ノックするスピードを上げる。 「ああ、あぁ…そこ……、だめッ……。イく……イっちゃう……っ!」  頭の先から足の指先まで、膨れ上がった快楽が貫く瞬間、晴人は瑞稀の楔から手を離し、 「あああああ、ぁぁぁぁ……———っ!」  限界まで腰をそり返させ、瑞稀は甘い香りのする蜜を解き放った。  焦らしに焦らされ、やっと達することができ、激しい快楽に全身が震えているにも関わらず、晴人の手は止まらない。 「やだ……ッ!また……また、イっちゃう……ああああ——っ!」  瑞稀は内腿を大きく震わせながら、達したばかりにもかかわらず、またすぐに絶頂に達する。  目の前がチカチカし、凄まじい余韻が身体の中を駆け巡るが、身体の奥底には、まだもどかしい疼きが残る。   「上手にイけたね」  涙と口角から流れ出る唾液でぐちゃぐちゃになり、蕩けた瑞稀の唇に晴人は優しくキスをする。  瑞稀は晴人の前歯に舌を当て口をこじ開け、貪るように舌を絡ませた。    二人の唾液が混じり合い、口角から流れ出る。  息ができない。  でも離れたくない。  晴人に舌を吸い上げられると頭の中が痺れ、夢中になって吸い返す。   「瑞稀は本当に可愛い」  晴人はつぶやくと、瑞稀の身体をグルンとうつ伏せにした。 「自分で腰を上げてごらん」  本当は晴人に愛撫させすぎ、自分の身体を持ち上げるだけの力は残っていなかったが、力を振り絞り四つん這いになり腰を上げると、後孔は期待からぱくぱく収縮する。 「早く……挿れて…」  瑞稀はベッドに肩を押し付け、体重を支えると、両手で双丘を引っ張り後孔の穴を広げる。  背後で晴人がごくりと生唾を飲んだ音がしたかと思うと、晴人の楔が後孔に当てがわれ、ズンと最奥まで一気に奥まで挿入さる。  急に奥までつかれ、指はとどかず広げられてなかった中は、晴人の硬く反り上がった楔でこじ開けらる。  晴人の楔が瑞稀の中で脈打つのがわかるほど、瑞稀の中は晴人のカタチに変えられていく。 「動くよ」  晴人はしっかり瑞稀の腰を掴み、楔を後孔近くまで引き抜いたかと思えば、カリ首で内壁を押し上げながら浅いところを擦り上げたり、掻き回したり。  挿入されただけでも達しそうになっているのに、弱いところを集中的に責められると、腰が砕けそうなほど気持ちよく、晴人の楔を逃すまいと内壁で咥え込む。 「瑞稀わかる?瑞稀の中、物凄くうねってて俺のを離さないよ」  晴人は瑞稀の双丘を揉み込みながら、少しずつ挿入を深くする。  後もう少し。  後もう少し……。  楔の先が最奥まで届きそうで、期待と興奮で瑞稀の中はさらに収縮した。  もっと擦って、もっと奥まで貫いて、中を掻き回して、何も考えられなくなるぐらい責め立てられたい。  もっと奥まで欲しいと腰を振りたてる。 「瑞稀は甘え上手だね」  耳元で褒められると、もっと褒めって欲しくて、懸命に淫らに腰を振る。  瑞稀の動きに合わせ、晴人も挿入を深くし、ズンっと最奥の壁に楔をぶち当て、さらに奥に押し込んだ。  子宮の入り口をこじ開けられ全身が粟立ち快楽が貫くと、瑞稀の嬌声は寝室に響いた。 「ああぁあっ、ああ~~ッ!……ッ!」  眩暈がするほど感じてしまい、そのまま瑞稀はベッドに倒れ込んだ。  ガクガクと身体が震え、自分の身体が自分では 制御できないように感じる。 「あっ、あっ、ぁぁ……」  余韻で思考が混濁している間も、晴人の楔は小刻みに最奥の壁に楔の先端をぶち当てられ、イくのが止まらない。 「ヤダ……もう…イくの…怖…い……」  今まで感じたことのない快楽の波に飲み込まれ、壊れてしまいそうだ。 「大丈夫だよ。俺に全て委ねて」  晴人の方を見ながら涙を流す瑞稀の髪に晴人はキスをし、痙攣している中に楔をずんずんと最奥の壁にぶち当てる。 「あ、ひ…ぃぃ……、そこ……、だめ…だ、めぇぇ……っ!」  瑞稀はシーツを掴み、恐ろしいまでの快楽から逃れようするが、晴人に背後から覆い被さられていて身動き一つ取れない。  晴人の律動とともに瑞稀の身体が揺れる。 「あっ、ああ……ダメ……だめ……っ!」  身体が揺れるたび、内壁はこじ開けられ、瑞稀の楔は自分の身体とシーツによって擦り上げられる。 「やっ!ダメ……とまっ……てぇ~~ッ」  どんなに懇願しても聞いてもらえない。  快楽の絶頂が近づいてくる。 「晴人さん……、晴人、さん……っ」  何度も名前を呼ぶ。 「晴人さん…噛んで……、噛んで……っ!」  最後の力を振り絞って、瑞稀は頸を晴人の口元に近づける。  荒い晴人の息遣いが頸にかかる。 「瑞稀、愛してるよ。愛してる……」  そう言うと晴人は大きく口を開けて、歯が食い込み血が滲むうほど深く瑞稀の頸を噛む。  瑞稀の血液が沸騰するほど熱く身体を逆流するような感覚に襲われるのと同時に、苦しいほどの快楽が身体を貫く。 「あああああ……っ、ぁぁぁ~~~っ!」 「くっ!」  瑞稀はシーツに蜜を解き放ち、晴人は瑞稀の中に精をぶちまけた、その瞬間。  ぶわぁ~と瑞稀の甘美で誰もを虜にしてしまうオメガの香りが全身から発せられた。  その香りは瞬く間に部屋中に広がり、息を吸うたびに瑞稀の香りが身体中を駆け巡る。   「瑞稀、ごめん。もう止められない……」  晴人は瑞稀を上向けにし、太ももと太ももの間に顔を埋め、瑞稀の楔を舐め上げながら溢れ出ている蜜を吸い上げる。 「ひやぁぁ……ぁぁ……っ」  休まることなく達しているのに、さらに蜜を吸い上げられ、瑞稀は啜り泣く。 「もう、ダメ……、死んじゃう……死んじゃう……っ!あ“ああああぁぁ、あああ——っ!」  瑞稀は晴人の口の中に蜜を放ち、晴人はその全てを飲み干し、瑞稀を対面になるよに抱きかかえ、ベッドから降りる。  不安定な体勢から落ちてしまわないように、瑞稀は晴人の首に腕をまわすと、晴人は瑞稀の足を大きく開かせ両太ももを持ち上げ、そのまま狂気のように硬く反りかえった楔を、一気に瑞稀の中に挿入した。 「あっ……あっ……あっ……」  あまりの強烈な刺激に、瑞稀の頭は真っ白になり意識が一瞬飛んだ。 「愛してる。愛してるよ瑞稀」  瑞稀の身体を持ち上げては、一気に落とす。   「ああ、待って…もう……ダメ…ひゃぁぁぁ……!」  楔が引き抜かれるたび、貫かれるたび瑞稀は身体をそり返しながら喘ぎ、最奥の壁の奥にある子宮口を広げられると、楔から蜜を出さずに何度も何度も達する。  達するたびに内壁は晴人の楔を締めつめ、晴人は瑞稀の中で精を放つ。  瑞稀の甘蜜と子宮の中から溢れ出た晴人の精が混じりあい、後孔から流れ出る。 「ああぁぁ…ふか、ぃぃ…、深……いぃぃ……、イク……イク……ッ!」 「一緒に、イこう」  コクコクと大きく瑞稀が頷くと、晴人はさらに力強く瑞稀の中に楔を打ち付け、 「あっ、あっ、ああぁあ——ッ!」 「っつ!」  瑞稀と晴人は共に絶頂を迎え、瑞稀はそのまま晴人の肩に倒れ込むと、そのまま意識を手放した。

ともだちにシェアしよう!