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第13話 甘く堕ちて、乱れて ※R-18

「……なぁ、ほんまに……もうやめろって……」 声は震えてて、言葉もかすれてる。 でも俺の指が動くたびに、ピクッと反応して、息も荒くなってく。 「気持ちよさそうなの、バレバレですよ」 「っ、ば……おまえ……!」 睨んできてるつもりなんだろうけど、まるで誘ってるみたいで余計に煽られる。 柏木さんのいい所を指先で優しく押し込むと、喉の奥で震えるような喘ぎがこぼれる。 「っ、く……っ、や……だ、ぁっ……!」 「やなのは……何がですか? 指? キス? それとも、もっと奥まで欲しくなってる自分のこと?」 「……っ!」 ぐっと唇を噛み締める柏木さんの表情が、たまらなく綺麗だ。 その口元を指でなぞると、熱のこもった瞳が俺を射抜いてきた。 「っ……調子、乗んなよ……マジで……」 「乗ってるのは柏木さんの体のほうですよ。ほら、ここ……さっきより、もっと敏感になってる」 指を三本突き入れ、それぞれバラバラに動かして内壁を擦り付ける。 「っ、ああっ……!」 身体が跳ねて腰が反射的に逃げる。 でも、それを逃さずに押さえ込むと、今度は自分から足を絡めてきた。 「ねえ柏木さん……俺の、挿れてもいいですか?」 耳元でそう囁くと、柏木さんは少しだけ目を伏せて、苦しげに息を吸い込んだ。 「……っ、しら、あぁっ……しらねえ……もう……すきにし、ろっ……」 話してる途中に喘いでうまく伝えられない様がそそる。 「ローション……なんかあるわけないか」 ぼそっと呟いて、部屋を見渡すと、目に入ったのはベビーオイル。 「これ、借りてもいいですか」 「……かってにしろ」 「じゃあ、遠慮なく」 パチンと容器の蓋を開き、掌に透明なとろりとした物を垂らす。俺の両腕は勝手に柏木さんの腰を抱いて引き寄せていて、柏木さんの両脚も俺を受け入れやすい格好になった。 「い、いたくすんなよ……」 「……ふっ、ほんと可愛いですね。大丈夫です、ゆっくり挿れますね」 俺は柏木さんの後孔をこじ開けるように自分のそれを押しつける。 「っ、あ……あ……っ……!」 耳たぶを甘く噛んで囁いたら、柏木さんの身体がビクリと跳ねた。 首筋に舌を這わせながら、胸元へと手を滑らせる。 それと同時に、柏木さんの中へゆっくり、ぐっと挿入させた。 「っ……ぅ、あぁ……っ」 中が苦しいのか少し苦悶の表情だったのが、優しく動いてやると、だんだん柏木さんの表情がやわらいでいく。 浅く抜き差しすると、もっともっとと中がうねって誘ってくる。単純に気持ちよさだけ感じているようだった。 「う……ああ……ああっ……」 「もっと奥に、挿れていいですか?」 「……や、だ、おかしく……なる、からっ……」 吐息に混じるかすれた声があまりにも色っぽくて、俺のほうが一瞬息を止める。 「柏木さん、可愛すぎ」 「っ……言うな……っ」 「柏木さんがもっと、気持ちよくなるとこ、知りたいです」 「っ……ばか……っ、やめろ、……」 そう言いながらも、また小さく震える脚。 唇が触れ合った瞬間、柏木さんの体がびくんと震えた。 舌を差し入れて、そっとくすぐるように撫でると、抵抗もなく絡め返してくる。しばらくして唇を離して見つめれば、柏木さんが目を逸らす。 ――次の瞬間、柏木さんの膝と太ももごと体重をかけて一気に奥まで突っ込んだ。 「あッ! や、ああ、んっ!」 いきなり奥への侵入に耐えかねて声が上がる。 俺はペースを緩めずに動かして、柏木さんは何度も抵抗するように身を捩った。 その姿ですら俺の中の何かが激しく揺さぶられて、どうにも抑えが効かない。 「はっ、あ! それ、あっ……、あ、」 すかさず腰を打ち付ける。柏木さんの逃げようとした手を掴んで布団に押し付けて、グリグリと腰をこすりつけた。 「ああっ、まて、樹……!」 「……なんですか?」 「もうちょいゆっくり……しろって、」 「無理です。柏木さんがエロすぎて我慢できません」 「……、あ、んんっ…」 俺が動くだけで喘ぐ。ちょっと笑うと、柏木さんの中は少し締まる。 「……やば、い、いつき、の」 「俺の……何ですか」 「きもちいい……」 俺の鼓動がドクンと大きく波打った。 ……まったく、この人は。 「そんなに気持ちいいですか?」 涙目で俺を見てる、あぁやっぱり可愛いなこの人、なんて思う。 「……ん、そう言うてるやん……きもちいいっ、て……」 それを聞いた瞬間、俺の中の何かが疼く。 柏木さんのこんな声、こんな素直な反応……見たことも、聞いたこともなかった。 がっしりと柏木さんの腰を掴んだまま、激しいピストンを繰り返して、齧り付くようにキスをする。 「……んぅ、っん…!あっ、ああ……っ」 腰を打ち付けるたびに我慢できない声が漏れて、その手がシーツをギュッと掴んでる。 「好きです、柏木さん。大好きです」 「……ばかっ、なんでいま、あ、イきそう、イく……っ、」 「いいですよ、イって……」 柏木さんが眉根を寄せて、端正な顔がぐしゃっと歪む。 「あっ、あ、イく……ああぁっ、イく……イ、ク……っ!」 喉元を晒して何度も何度も絶頂する。声も、感触も、すべてが脳にダイレクトに響いた。

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