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ちいさな(※主観)智くんと、オレのプライド防衛戦 18
ついねだられて……嫉妬する可愛い姿が見れるかも? みたいな軽い気持ちで、消し忘れてたり、卒業アルバムにあった昔の彼女の写真を見せてしまったのがよくなかったんだろうな。
「……龍成さん……」
「お姉さんに会わせないようにしたって、親族になったらいつか会うんだぞ?」
「……はい」
「他の人間の外見で、オレとお前の関係を片付けんじゃねぇ。……さあ、行くぞ。宝物を、オレに預けてもらうための戦いはこれからだ」
オレは智の大きな掌をぎゅっと握りしめ、ようやく実家の玄関へと一歩を踏み出した。
智はまだ涙目で鼻を啜っていたけれど、その足取りはさっきよりは少しだけ力強いものに変わっていた。
長く続いた白い壁の内側は、駅前にこの広さの平屋の日本家屋⁉︎ と度肝を抜かれるものだった。
智に、「じゃあ入りましょうか」って長く続く白い壁の切れ目を指さされた時もびっくりしたけれど、智の実家が本当に本当に金持ちだったんだってことを痛感してしまい、オレの思考はどこかに飛んでいってしまった。
「いらっしゃいませ」
実際に存在するんだ⁉︎ 実は妖精じゃないのか⁉︎ なお手伝いさんに出迎えられて……
「大変申し訳ございません。ただいま、旦那様も奥様も所用を済ませてくるとおっしゃいまして、帰宅まで智坊っちゃまのお部屋で待つようにとの伝言を預かっております」
「……うん。じゃあ僕が案内するから」
そう返事をする智の様子は慌てたところもなく、生まれた時からお手伝いさんがいた環境なんだと教えてくる。
どこまで続いているのかわからない廊下を一歩一歩進むと、どんどんと現実感が喪失していく感覚に陥るほど、そこは別世界だった。
磨き抜かれた檜の床は日を反射して鏡のように鈍く光っている。
壁一面に配された雪見障子の向こうには、手入れの行き届いた広大な枯山水。
駅近の立地でこれだけの広さを「平屋」で通すという行為が、どれほど暴力的なまでの資産を物語っているか、就活で企業の時価総額を叩き込まれたオレには嫌というほど理解できた。
「あ、龍成さん、足元気をつけてください。ここ、少し段差があるから」
「……ああ」
智の声に我に返る。
「お……大きい家だな」
「父も僕くらいの身長があるから、これくらいないと頭打っちゃうんです」
あはは と笑って智が手を上に向かって伸ばす。
オレのマンションならとっくに天井に触れているけれど、この家では随分と余裕があった。けど、オレの言いたいことはそうじゃない。
「天井の高さもそうなんだけど……」
チラリと外に目をやれば、庭師が丁寧に木を手入れしているのが目に入る。
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