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ちいさな(※主観)智くんと、オレのプライド防衛戦 25

 智の爆弾発言に、庭にいた全員が凍りついた。  お父さんに至っては、あまりのショックに、岩のような顔面が青白く引き攣っている。  でも、あのいい雰囲気、しかも智はキスを待っててくれたんだから……しちゃうだろ! むしろキスだけで我慢し続けているオレを褒めてくれ! 「……智。今 なんて言った……?」 「龍成さんは悪くないの! 僕が、龍成さんの番になりたいの! パパに反対されても、僕は龍成さんと番になるからね!」    智の決意を秘めた叫びが、静かな庭園に響き渡る。  オレはひざまずいたまま、その広い背中を見上げた。  智は、自分の意思で、自分の言葉でオレを選んでくれたんだ。  そう思うと胸の奥がじわじわと熱くなってくる。  ……だったら、このまま庇われてるってわけにはいかないだろ。 「……っ」  ビリビリと感じる優性のαの威圧的なフェロモンを振り払うように首を振り、服についた土埃を払う。膝は震えたままだったが、なんとかしゃんと背筋を伸ばす。 「改めまして、智さんとお付き合いさせていただいております。お父さ「貴様の父じゃあない」  う……と言葉が詰まりそうになるが、智がぎゅっと手を握ってくれたから挫けなかった。 「まだ働き出してもいない私は、頼りない子供に見えるかもしれません。けれど、面接でも言ったように智くんと出会えたことは私の人生でもっとも幸運なことです、その幸運を手放さないためにはなんでもしますし、努力も惜しみません。海に沈められようが山に埋められようが何度でも這い上がってきます! なので、私たちの結婚前提の交際を認めてください!」 「……結婚、だと?」  口から漏れたのは地を這うような低い、けれど確かな困惑を含んだ声だった。  庭園に満ちていた暴力的なまでのフェロモンが、一瞬だけ揺らぐ。 「貴様……っ」 「面接で言ったことはすべて、本心です!」    オレは智の手を握る力を強めた。  正直、あの面接官が智の父親だと知っていたら、あそこまで明け透けに惚気られたかどうかは怪しい。けれど、吐いた言葉に嘘はない。 「智くんを幸せにするために、一番いい環境で働きたい。そのためにあの会社を選び、採用もされました!」 「…………採用されたところで、クビになったらおしまいだがな」  低い声は警告のように聞こえる。  イーノフーズの社長と智の父親は懇意の仲のようだった。……と、いうことは何かしらの理由をつけて不採用にすることも可能と………… 「  っ」  どこまで顔が広いのかはわからないけれど、この人が本気を出したらオレは就職どころかアルバイトもできなくなるんじゃないか?

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