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ちいさな(※主観)智くんと、オレのプライド防衛戦 27

 今にも着物を着たおじいさんが上座に座って……なんて雰囲気に気圧されてるオレの隣で、智はニコニコとしながらちょこんと座っている。  幾人ものお手伝いさん? 家政婦さん? が行き交い、座敷をオレたちのための食事会仕様に変えていく。 「あ……手伝いとか……?」 「龍成さんはお客さまなので、ここで座っておくのがお仕事です!」  ハキハキと言われて、立ち上がれずにそのまま居心地悪く座布団の上で身を揺する。  目の前で色々な人が働いていると言うのに、じっと座っているのもなんだか申し訳なくて……せめて智の部屋にでも行けたらよかったのだけれど、父親の猛反発にあってしまった。  密室で手を出しかけた身としては逆らうこともできず、おとなしくしているしかない。  大きな一枚板の座卓が運ばれ、そこに並べられる膳は、どれもこれも一級品だと素人目にもわかるものばかりだった。  改めて、智の立場を思い知らされて、思わず隣に座っている智に不安な視線を向ける。 「龍成さん、あそこの器見えます? あれ、ここのお庭で採れた山椒を使ってるんですよ。すごく香りがいいんです」 「へぇ、そうなんだ……」  オレの緊張を知ってか知らずか……智が楽しそうに説明してくれるおかげで、少しだけ強張っていた肩の力が抜ける。  そこへ、どっしりとした足音を響かせて、着替えを済ませたお父さんが戻ってきた。 「……ふん。まだ帰ってなかったのか」  上座に腰を下ろしたお父さんは、不機嫌そうに鼻を鳴らす。  さっきまでの狼狽ぶりを隠すように、またしても威厳の鎧を纏っているが、智に「パパ、隣に座って」と笑顔で促されると、もごもごと文句を言いながらもおとなしく指定された場所に座るあたり、憎めない人だ。怖いけど。 「パパ、龍成さんに、そんなに意地悪しちゃダメ」 「…………意地悪なんかじゃあない。今は入社を控えて忙しいはずだ」 「え⁉︎ そ、そうなんですか?」  慌ててこちらに振り向く智になんでもないように笑いたかったけれど、生活に関することだとか、会社や業界の理解を深めるための情報も集めておきたかった。それから会社で使うだろう業務スキルも事前に覚えておきたいし……  ほんのわずかなことだとしても、今後の出世とか給与の内容とかに関わってくるかもだし、できることはできるだけやってしまいたいのが本音だった。  多分……智はまだわからない。  お父さんは……経営者側だからわかるんだと思う。 「ぅ……龍成さんは僕を最優先にして無茶しちゃうから心配……」 「それくらいで何を  」 「パパもそうだよね? ママのこと優先にして無茶ばっかり! ……龍成さんのことが好きになったのって、そんなパパを見てたからかも」

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