235 / 261

落ち穂拾い的な 立ちはだかる壁を越えて 2

 オレの無骨でマメだらけの手がその白い肌を撫で上げると、智はビクッと体を震わせ、恥ずかしそうに両手で顔を覆ってしまった。   「ひゃっ……あ、ダメです。龍成さんの手が、その、ザラザラしてて……っ、すごく、熱くて……」    顔を隠した指の隙間から見える耳まで、真っ赤に染まっている。  その今にもとろけそうな表情は、今日の午前中の卒業式で、堂々と答辞を読んでいた時の様子からは考えられないほどふにゃふにゃで可愛らしいものだった。  午後からの結婚式でも、人生何周目だってくらい堂々として客たちと歓談していたのに……  普段は完璧に自分を律している彼が、オレの愛撫一つでここまで乱れ、無防備に初心な反応を見せてくれることが、どうしようもなく愛おしくて嬉しい。 「ダメじゃない。……智の全部、オレに感じて」  オレは顔を覆う智の手首を優しく掴んで退け、その首筋から鎖骨にかけて、ゆっくりと唇を滑らせた。  吸い付き、甘噛みし、オレの所有印を刻みつけるように赤い痕を残していく。 「ああっ……んっ、りゅ……せい、さんっ……」  智の口から、甘く掠れた喘ぎ声が漏れる。  オレの指先が彼の胸元を這い、引き締まった腹筋をなぞり、さらにその下へと熱を帯びた手を滑らせていく。そのたびに智の体が弓なりに反り、良質な筋肉が微かに痙攣するように震えた。  二人の間に立ち込めるフェロモンは、もはやむせ返るほどに濃密になり、部屋の温度を確実に引き上げていた。 「このまま、いいか?」  ダメと言われても止まれる気はしなかったが、卒業式に結婚式にと一日でこなして疲れているはずだ。  初夜ではあるけれど、無茶をさせたいわけじゃなくて……  ズキズキと痛みを訴えるくらい張り詰めたムスコよりも、智の気持ちが優先だった。 「こ、ここまできて、それはないですっ」  そっと動いた視線が腹をペチペチと叩くほど反り返ったお互いの性器を見つめるから、オレは遠慮しないことに決めた。 「んっ……!」    鎖骨から滑らせた唇を、さらに下へと這わせていく。  オレの指先が智の胸元を撫でると、鍛えられて引き締まっているはずの胸筋が、今は緊張が解けているせいか思いのほか柔らかく、手のひらや指先が吸い付くようにモチッと沈み込んだ。その心地よい弾力と、オレの指を受け入れるような皮膚の滑らかさに、思考がさらに熱でとろけていく。  その豊かな胸の膨らみの頂で、真っ白な雪原に落ちた椿のように、鮮やかな赤色を主張している突起があった。 「あ、んっ……りゅせ、さん……っそこ、は……っ」  親指の腹でそっと擦り、甘く摘み上げると智の口から抑えきれない嬌声が漏れる。

ともだちにシェアしよう!