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落ち穂拾い的な 立ちはだかる壁を越えて 5

 α共が「オメガ」「オメガ」と騒ぎ立てる理由が一気にわかった気がした。  Ωに人権のなかった昔じゃあるまいし、現代社会で執拗にΩを性対象に見ていたαたちを冷ややかな目で見ていたこともあったが……  目の前の、芳醇な蜜を滴らせる果実のような存在を手に入れたくて、口内に唾が溜まる。喉を鳴らすのが止められない。  独占欲と支配欲と……そういったものに脳内は支配されて、目の前の宝を手に入れることができたら世界を手中に収めることができるのだと信じて疑わないほどの、万能感。  プチュ と秘された奥から蜜が溢れる。  触れ合いで温まっていた体が異常な熱を帯びて、まるでオレの掌を焼こうとしているかのようだった。  ひ ひ と吐き出せない呼吸に喉を詰まらせ、内側からの熱に翻弄される智は自分自身の体がどうなろうとしているのかわからず、怯えている。  けれどそれが、愛おしくてたまらない。 「  っ、オレ、自分に加虐性があるなんて思ってなかったんだけど……」  身をすくめて、逃しきれない熱に翻弄される姿に、小さな小さな小鳥を手に入れた気分になった。  掌で包んでやるとそれだけで逃げ場を失い、慌てふためいて手の中をくすぐるように逃げ惑い、怯え、……そして最後には結局、自分を包み込んでいる手に縋らざるを得ない。  オレの小さな小さな智。 「オレのものに、したい」  αもΩも同じ人間で対等だと考えていたのに、そんな思考はどこかに飛んでいってしまっていた。 「噛んで、オレのものになって」  いつの間にか、智と同じように荒くなり始めた呼吸の下から呻くと、そんな余裕はないだろうと思っていた智がこくりとはっきり頷く。  オレの言葉に、返事をした。  番になって欲しいって言葉に、頷いてくれた。 「智はオレの番だ!」    宣言の言葉を聞き、潤んだ瞳はとろんと蕩けてオレにしがみつく大きな手が小刻みに震えていた。ヒートの波が、智の理性を完全に飲み込もうとしている。 「っ、はい……! 龍成さんの……番に、してください……っ」  その言葉を合図に、オレは智の最奥へと熱く昂ぶった自身をゆっくりと沈め込んだ。 「ああっ! あぁぁっ……!」  初めての痛みに智は大きく背を反らせたが、それ以上に喜びに顔をくしゃくしゃにして泣き笑いの表情を浮かべた。  オレは智の背中を抱き寄せ、そのうなじへと顔を埋める。  そして、ふわりと香る一番甘い場所へ、オレの牙を深く、深く……突き立てた。   「ひぁあっ‼︎ あ、りゅ、龍成さ……っ、ああああっ‼︎」  歯が皮膚を貫いたと感じた瞬間、しなった智の体の中が急激に収縮し、堪えきれない嬌声が迸った。

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