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Aria of Echoes 22

「汐音はわけわかんなくなってても可愛いぞ」  どこもかしこも柔らかくなり、自分の目の前でただ食われる瞬間を待つ軟体動物にような姿を、凪は気に入っていた。  αとしての征服感を満たしてくれるし、捕食できるのだと思わせてくれる。 「サド、サード!」  幼い子供のようなからかいも、今では汐音の照れ隠しだとわかっている凪は、ぐい と白く細い足を抱え上げた。 「ひゃっ」 「サドはサドらしく、あんたをいじめて満足しようかな」  そう言うと、凪は肉厚な舌に唾液を絡めながら、抱えた足の間に密かに息づく汐音の猛りにゆっくりと触れる。  焼けそうに熱い口内に迎え入れられて、汐音の体がぐんとそりかえった。それは考えがあっての動きではなく、凪が口に含んだ刺激によるものだった。  なんの躊躇もなく、凪は口に含んだ汐音の陰茎を吸い上げ、舐めまわし、愛おしむようにキスを落とす。  苦い味が口内をじわじわと満たし、舌に嬲られる陰茎が肌の柔らかさを保ちながらも固く張り詰め、脈動し、興奮しているのだと凪に教える。  前日につけたキスマークを晒しながら、白く長い足が快感に耐えきれずに宙を蹴り上げ、嬌声が響く。 「つよ い! 僕だけイクの……ゃ、だって……」  色素の薄い、光の加減によっては金色に見える瞳で見つめられてしまうと、凪はもうこれ以上意地悪なことはできなかった。  姫にぬかづく騎士のように丁寧に恭しく、優しいキスを汐音に落として大きな手でゆっくりと体を撫でる。 「じゃあ、オレを受け入れてくれる?」 「んっ……ぅん、でも……ゴムしてね? 最初みたいなことになったら、怒るからね」  そう言って凪の鼻をつつく汐音は少し快楽から目覚めたような表情だった。  初めての日、二人がベッドにもつれあって飛び込み、我を忘れるような……それでいて最高の一夜を過ごした際、コンドームは途中から使われていなかった。  これに関しては二人は同罪で、予備に一個だけコンドームを持っていた凪と、後でピルを飲むと言った汐音、そして止まることのできなかった二人の責任だった。 「でも、今回も止まれる気がしねぇ」  汐音を見下ろしながら、αのフェロモンを纏う凪は絶対王者に見え、その意思が万物の意思だと言われても信じ込んでしまいそうな雰囲気がある。 「  っ ……、で、できなかったら、後でお尻ぺんぺんするからね」  精一杯の汐音の反論。  お互いのフェロモンは濃密に混ざり合って、体の熱ももう引き返せないところまで来ている。  止まれないのは凪だけじゃなく、自分もそうなのだと、うずく腹を庇うようにして身をくねらせて……

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