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雪虫6 4

 ちょっともじもじとした様子でこちらを伺う姿は可愛くて、ホント可愛くて! いつもなら飛びつきたくなるけどできないくらいにはこの臭いが気になる。 「セキ、が、きて、起きた、って」 「うん!」  雪虫は肩で切りそろえた銀色のような金髪を揺らしながら、期待したような目で見ていて……これは、もしかしてオレに、αの臭いがする! って慌てて欲しいんだろうか?  前回、雪虫の周りをちょろちょろしていた巳波の時のように…… 「…………っ、雪虫」 「うん!」  室内の光を反射してキラキラと光る瞳は宝石のようで、吸い込まれそうな魅力がある。  こじんまりとした顔立ちは人形のように整っていて可愛らしいし、華奢な体は征服欲や庇護欲をそそるから人目を引く。だから、こんなことをしなくともオレはいつもハラハラとしているというのを、いい加減わかって欲しい。 「変な臭いがする」 「へん?」  しょんぼりとしていうと、雪虫は慌てて自分の匂いを嗅ぎ始める。 「雪虫は、いつも通りの匂いがするよ」  そっと抱き上げると、人工的なキツい臭いの奥にさっぱりとした冬の花の香りがわかる。 「それだけ?」 「うーん……雪虫の匂いだけでいいよ」  抱き上げた感じ、体重は減ってないな。 「でも、んー……でも、……んー」  オレがフェロモン香水のことに言及しないからか、雪虫は何か言いたそうで言えない表情をして困っているようだ。  セキにしたようにはっきりというべきなのか迷ったけれど、結局αは番に勝てないようにできてるんだからしかたない。何も言わず、フェロモン香水なんて意味ないってことを暗に伝えるしかないな。 「昼寝して汗かいただろうから、お風呂に入ろっか」 「え、でも、…………うん、おふろ……はいる」  なんだかんだと素直に返事をしてくれる雪虫を部屋のお風呂場の方へ連れて行き、準備をするからと急いで部屋に戻って空調の出力をマックスにする。  普段は雪虫がうるさそうにしてるからちょっと控えめなんだけど、今はとにかく全力で空気を入れ替えてもらわないと臭くてたまらない。  本当は窓や扉を開けらたいいんだろうけど、雪虫の部屋は万が一のことを考えて窓がない。  大神や瀬能曰く、Ωは色々と活用方法のある存在で……そんなΩの中でも雪虫は特別なのだそうだ。  何が特別かは教えてくれなかったけれど、雪虫を見れば十分だ。色素のない体は人間よりも妖精に近いと思わせるほど神秘的で、Ωらしい繊細な作りの顔は華やかで可憐、例えもうオレの番なのだとしても、手に入れたいと思う奴らは多いはず。  

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