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雪虫6 7
「じゃあ、ぎゅってする」
いいよって言われても、宣言してからじゃないとできないんだから、ヘタレと言われてもしょうがない。
そこまでしてやっと腕の中に収めた雪虫は小さくて柔らかくて……潰してしまいそうだ。正面切って抱きしめると、さっき抱き上げた感触とはまた違った感覚がして、気持ちいい……
髪の匂いや耳元、項、胸元、できればもっともっと下の方まで、全身の匂いを嗅ぎたいんだけど。
「しずる、あったかぁい」
ちょっとオレの方に体重を預けて、うっとりと言ってくれる。こんなちょっとしたことでも嬉しくて、もう少しだけ腕に力を込めた。
そうすると二人の間がさらになくなって、溶け合って、一つになって……自分の存在に欠けていたものが補われるような安堵感に、鼻の奥が痛くなる。
「体冷えちゃうよな、湯船に浸かろっか」
「しずるは?」
「オレは……」
個人部屋についている狭い浴槽だけれど、発情期の間は一緒に入っちゃったりもできる程度のサイズはある。
ぎゅうぎゅうだけれど。
「今日は、やめとこうかな」
「?」
ぎゅうぎゅうなのは浴槽だけじゃない。
正直、オレの息子スティックのせいでズボンがぎゅうぎゅうだ。
裸の雪虫を見せられて、抱きしめて、匂いまで嗅いじゃってってしたら、もう勃つ以外の選択肢は残されていない! オレだってそれなりに血気盛んな若者なんだから、好きな人が目の前で裸だったり、彼パーカーなんてエッロい格好をしてて、抱きしめて匂いを嗅いじゃってるんだから、勃つ! 勃つよー!
勃ってても無視したらいいだろうって意見もあるだろうけど、勃ってるのがオレだけってのが問題なんだ。
「さ、ゆっくりぬくもって」
そっと湯船に移動させて、肩に湯をかけながら白い肌が朱色に染まっていくのを見守る。
雪虫はさっきまでのやり取りがなかったように、けろっとしながら浮かべたアヒルで遊んでいて……
他のカップルなら、きっとあのままエッチいことになだれ込むんだろうけれど、嗅覚のいいオレじゃないと嗅ぎ分けられないくらいフェロモンが薄い雪虫は、歳の割に幼い外見同様、そちらに関しても幼くて、こう言ったやり取りをただのスキンシップだと思っている。
ただのスキンシップ。
性欲はない。
あああああああああっ!
「しずる?」
「うん? お湯熱かった?」
「そうじゃなくて、セキと何かあった? しずる、セキとあったあと、変なかおしてる」
変な顔はデフォだって言い返したいのを堪えて、なんと答えたらいいのかわからなくて水面を指先で揺らす。
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