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雪虫6 13

 それに、オレのことも雪虫のことも知っている直江だから、こうやって気にかけてくれているんだろうし。 「その保管場所って、わかります?」 「もちろん」  そういうと直江は頼れるお兄さんのような笑顔を返してくれた。    それが、昨日の話。  そしてオレは今、拘束されている。 「…………えぇと……」 「建造物侵入、窃盗、それから背任に  」  淡々と重い言葉を告げていく瀬能に、オレは大慌てで「なんでそんなことに⁉︎」と大声をあげる。  いつものようにオレが慌てるのを見て楽しんでいるのか……なんて考えは、しっかりと嵌められた手錠と腰縄を見た瞬間に吹っ飛んだ。  番のことを知りたかった。  ただそれだけだったのに、研究所内は蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。 「そんなこと? ……君は何を言っているんだ」  冷ややかな視線は、以前殴りかかろうとした時にもしなかったような殺伐としたもので、じわじわとオレがしようとしたことが大事だったんだって教えてくる。 「あ……オレ、雪虫のこと、が  ……知りたかっただけで」  純粋にそれだけのことだ。  他に何の下心もない。  のに…… 「それは今後、取り調べをしてから判断させてもらう」 「え……えぇ⁉︎ なんですかそれ! オレはっ……別に何も盗ってないですよ⁉︎」 「…………」  瀬能はオレの方は見ないまま、オレの後ろにいる警備員たちに視線で何かを指示する。  二人の警備員はちょっとした話をするくらいには顔見知りだというのに、今はオレのことを知らない人間だとでもいうような顔で立つように促す。 「え? え……いや、……せんせ? ホント、わかんなくて……」 「君がしでかしたこと、本当にわからないのかい?」  いつものちょっとおどける声音じゃない。  低く響く声は年相応の落ち着きを持っていて、圧倒的な人生の厚みの差を見せるけてくる。  これは、シャレじゃないのだ と。 「…………」  直江に教えられた場所は、複雑怪奇に入り組んだ研究所内でもさらに複雑な場所にあって、扉もしっかりと施錠されている場所だった。  オレのセキュリティタグで入れるのはせいぜい瀬能のお使いで言っておいでって言われたところくらいで、それ以外の場所に入る権限は一切ない。前を通るぐらいでは特に何も起こらない。  色々な場所を工事することの多いこの研究所では、そこを通ることもないわけではないからだ。  どうしたものかなーなんて考えてはみるけれど、オレに電子ロックをどうにかできる技術なんてものがあるわけでもなし。 「……ダメもとで、オレのタグを使ってみる?」  そんなことしたら、一瞬で瀬能の方に通知がいくだけなんだけど。

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