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雪虫6 60

  「あ……なんのことかわかりません。オレ、雪虫の番だし、会いたくないなんて、そんな   」    そんなわけない。  雪虫はいつもオレに会いたいって言ってくれて、傍にいてって言ってくれて、大好きって言ってくれて……    でも、来ないでって。   「オレ……雪虫を怖がらせました」 「……」 「もしかして、オレはもういらないんでしょうか」    問いかけじゃなかったからか、すがるはオレの言葉に返事を返してはくれない。   「オレ、金だって稼いでくるし、野菜だって作るし、魚も獲ってくるし、食事も作るし、掃除や洗濯だって、なんだって、するし、役に立つのに」 「……」 「浮気もしません、友達を優先もしません」 「……」 「学歴があればいいんですか?」 「……」 「もっと稼げば傍に置いてくれますか、それとももっと役に立てば傍にいても許されますか」  滔々と続けるオレの言葉を遮ることはせず、二人はずっと黙ったままだ。  オレは答えが返らないことに焦れて、言葉をさらに続けた。   「学歴があればいいんですか」  瀬能に相談すればいい案を出してくれるだろうか? オレの後見人とか言っておきながら、大神はそういったことには相談に乗ってくれそうにないから、自分でなんとかするしかない。  それから? オレは何をすれば、必要とされる?   「雪虫が傍にいてくれるなら、なんだってできるから  」 「  お前は」    のそりと開かれた大神はひどく不快そうな、鼻白んだような、なんとも形容しがたい表情でオレを見下ろしている。   「お前の『それ』が異常なことだと理解していないだろう」 「異常って……なんですか」    オレの雪虫への気持ちのことを言っているのか?  それなら、オレから言わせてもらえば大神の態度の方が異常だ。例え本物じゃないとしても、あれだけ執着しているセキの姿をしたものを他の人間に差し出すなんて…… 「番に執着することは普通じゃないですか」     オレだったら、髪の毛一本ですら他の人間には渡さない。   「お前の執着は異常だ。何より、お前の献身は度を越している」 「度? 度ってなんですか? 何をしたら適正範囲でそれ以外はアウトだって言うんですか?」    勢いよく上半身を上げたからか、すがるは溜め息を吐きつつオレを放り出した。 「滅私奉公がすぎると言っている」 「や……だって、雪虫は体が弱くてできることが限られてるから、オレが代わりにしてあげないと」 「……」 「雪虫が狙われてるって言ったのはあんただろ! 守ってやらなきゃだし、出歩けないならその分オレが楽しいことを運んでこないと!」       

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