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R18※ 7.された相手が「この事態、たぶん俺のせいだから」と言った

「……もう、出る……離せ」 「出せばいい」 「……や、マジで……!」 亜紀は藻掻くが、たいした抵抗ではない。 「あんまり暴れると噛んじゃうよ」 「くっそ、おまえがやめれば済む話じゃないですか……!」 垂れ流れそうになった唾液を、じゅ、と思いきり吸い上げる。 「──っ! ……あっ……はる、ひこ……!」 耐えに耐えて、でも無理だった、という声。 呼んだのは、拒否するべき相手の名。 なんだそれめちゃくちゃかわいい もう自分でもわかる。歯止めがきかない。きくわけがない。 彼の声よりよっぽど大きな音を立てて、はちきれそうに勃起している陰茎を虐めた。どろどろに濡れた中指で、アナルを押す。 入ってしまうか、そうでないかのそこを、優しく撫でる。 やがて口のなかに溢れ出てきたものは、いとも簡単に飲み込めた。 亜紀の息遣いだけが部屋に響く。 彼は天井を見ている。 春彦は動けないでいた。 いまのこの状況を、ただ茫然と過ごすしかできない。 でも、なにか言わなければ。 「……亜紀……、」 「春彦」 亜紀が言った。遮るように。 「俺……」 「──謝るな。謝ろうとしたよな? 謝んなくていい」 「…………」 亜紀が身体を起こす。ワイシャツは肩から落ち、髪は乱れている。 それこそ、乱暴されたあとみたいだった。謝らなくていいわけがない、のに。 「……洗面所を使え。それで全部整えろ。抜くなら抜いてこい。俺もあとで着替える。おまえのほうが先に出なくちゃならないから急げっていうだけだ。早くしろ。歯も磨け」 時計を見る。亜紀がここに来てから30分は過ぎている。 春彦は頷き、無言で洗面所に向かった。この施設には大浴場があるが、各部屋にもユニットバスがある。 反省すべきなのに、ふわふわして思考がまとまらない。なにも考えられない。急に罪悪感に襲われたり、あるいは「これは現実か」と疑ったり。まともな思考ができないまま、手を洗い、乱れた髪をセットし直した。そのうちに股間も落ち着いてしまい、抜く必要はなかった。 亜紀はスラックスを履き、ノーネクタイのシャツ姿でベッドに腰かけている。 ベッドのシーツはぴしりと伸ばされ、まるでさっきのことなどなかったようだった。 「大丈夫か、春彦」 亜紀がそう言った。 大丈夫か? 逆じゃないのか? 心配されるべきは亜紀のほうでは? 「……俺は全然……むしろおまえのほうが」 「俺も平気。なあ、夜、ここでちゃんと話そう。この事態、たぶん俺のせいだから」 「……亜紀、の?」 「そう。たぶんっていうか、間違いなくね」 「…………」 「ほら、ここに座れ」 亜紀が隣をぽんぽん叩く。言われた通りに腰かけると、彼は春彦が行為の途中で椅子方面に投げたネクタイを取り、首に回して結んでくれた。きっちりと、とても綺麗な形に。 「ありがとう」 「ん。夜までいったん全部忘れられるか? 切り替え、できるか」 「ああ。なあ、なんでおまえのせいになるんだ……?」 「俺が、おまえを振り回してるから。まともな返事をせず、なのに離れもせず」 「…………」 「こうなると、夜ふたりきりになれるのは助かるな」 「……助かる? またこんなことが起きるかもしれないのに?」 亜紀はきょろりとこちらを見上げて、それから首を振った。 春彦には、それがどういう意味なのかよくわからなかった。同じことは起きないと思ってくれているのか、起きてもいいと思ってくれているのか。 いずれにせよ春彦自身に都合がよすぎて、亜紀にとっては不利でしかないと思うのだが。 それでいてこの暗さのない表情。だから理解できない。 救われいる、ということしかわからない。 「さて。春彦、もう行けるか?」 「……ああ」 「暗い顔はやめろよ」 そう言うと、亜紀は手にしたままのネクタイを少し引っ張った。 春彦がそれに任せて顔を寄せると、唇に唇が触れた。 彼からしてくれる初めてのキス。 驚いた。とても。 「亜紀……」 「いつものおまえで行け。カラ元気でもいい。見かけだけでもいい」 春彦は、自分は変わってしまったのだ、と思った。もう、以前の自分には戻れない。それはこの男への恋心を知らない自分だ。別に戻らなくていい。戻りたくもない。 だが、見かけだけは一切変えずにすべてを熟してみせる自信がある。 亜紀がこう言うのだから。ここまでしてくれるのだから。 「行ける。行けるよ。ありがとう、亜紀」 「ん」

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