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余韻05 くっついててね
「……っ、ふ……ぁ……、ん」
しばらく経つ頃には、すっかり力が抜けて背中を支えられながら唇を寄せ合っていた。
その手が背中を這って首の後ろをぐっと引き寄せとき、手のひらの熱さに喉が鳴って、つま先がちょっとだけ縮こまった。
「触るよ」
「……ん」
空いた方の手が、そろりと服の裾から侵入してきた。指先が腰をなでて、とんとんと軽く触れながら背中を駆け上がる。
同時に、ヘイデンがリオネルの耳元に顔を寄せ、そこから首筋に向かって舌を這わせた。
「……っ、ぁ、ぁあ!」
あちこちから沁み込んでくるヘイデンの熱が、リオネルの呼吸を追い詰める。
リオネルの足が、またがっているヘイデンを挟み込んで震え、腰が少し跳ねた。
ヘイデンの背に回していた手のひらは、服をぎゅっとつかんだ。
「リオネル」
名を呼びなから、ヘイデンの指先が少しずつ背筋を滑り降り、その舌が首すじを深くなぞった。
「ヘイデ、……ん、っ!」
その刺激に、たまらなくなって片方の膝を少しだけ立てる。
ヘイデンの脇腹にあたって、少し服の裾がめくれ上がった。
「……リオネル。エロくって、かわいい」
少し笑いを含んだ声が首元から聞こえる。
けれど、さみしさとときめきと、ヘイデンのくれた熱が体の中を渦巻いていて、そのからかいに応える余裕はなかった。
「ね……ヘイデン、ね」
跳ねる呼吸をなだめて、なんとかその名を呼ぶ。
首すじの威力を温存して、鎖骨の上を唇でなぞりながらヘイデンが応えた。
「なあに」
頬をなでるふわふわの髪の毛に、くいと顔を押し付ける。
腰をなでていたヘイデンの指先は、腰から少し下、尻との境目をさわさわとなでていて、リオネルはそのくすぐったさにどうしようもなく腰を震わせた。
「あっち、……いきたい」
ここは不安定で、心許ない。
もっと触れ合えるなら、広い寝台に行きたかった。
なんとか口にした言葉に、ヘイデンの指が、唇が、止まった。
「……ヘイデン?――っあ!」
少し心配になって声をかけると、強く抱き寄せられて、温存されていた首すじに柔らかく食いつかれた。
舌がぐいぐいとうなじの方へ向かってリオネルをなぞりあげ、ぞくぞくがこじ開けられる。
「――――っぁぁ、んんん!」
悲鳴のような声が喉からほとばしって、ヘイデンが止まった。
「……ごめん、やばかった」
腕の力を少し緩めて、リオネルの肩口でヘイデンが話す。
震える体をヘイデンに支えられながら、リオネルは小さく首を振った。
いやじゃなかった。ちっとも。
まだ、なにも言葉にできなくて、服を握りしめていた手のひらをひらいて、ヘイデンの背中にそっと沿わせる。
体の全てをくっつけるように、ヘイデンの体を抱きしめた。
「あっち、行く。……行こ」
ヘイデンの言葉に頷いて返す。
ヘイデンの言い方がなんだかかわいくて、リオネルが声に出さずに笑うと、ヘイデンがぽつりと言った。
「……ロビンはさ。たくさん笑って、甘えたり叱ったりしてくれてさ」
腰と尻のあわいを這っていた手のひらは、外に出てきて、服の上からリオネルを抱き寄せていた。
「そういうのはよくわかったけど。さみしさとか、イヤとか、照れとか。ロビンの隠したい気持ちは、――全然わかんなくてさ」
「……さみしくないようにしてくれてたよ」
ヘイデンの肩に、頬を預ける。
「うん。気をつけてた。でも、――欲しがってもらえるって俺思ってもなかったから」
そこにヘイデンの顔が寄ってきて、頬が触れ合った。
「リオネルに欲しがってもらえると、なんか、すごい……」
――嬉しい。
ヘイデンの声がリオネルの耳の奥を震わせた。
「――俺も」
耳元を唇でくすぐられて、ヘイデンがリオネルの両腕を自分の首にかけさせた。
「……行こ。くっついててね」
「あ、だめ」
ヘイデンの腕が体に回ろうとしたところで、はっと気がついた。
「自分で行く。ヘイデンは無理しちゃダメ」
リオネルのことを抱き上げようとしていたことに気づいてとめると、ヘイデンは少ししょんぼりとした顔でこちらを見下ろした。
それを見て、少し考えてから頷いて返す。
そんな顔されたら、……断れない。
ちょっと笑って、しっかりとヘイデンの首に腕を回した。
甘えるのも、照れるのも、欲しがるのも。
ヘイデンには、隠さずに見せていこう。
ぐっと、ヘイデンの体が前のめりになって、しっかりと支えて持ち上げられる。
浮遊感に体を委ねながら、さっそく甘えてみることにした。
「さっきのヘイデン、やじゃなかったよ」
少しだけヘイデンの体が揺れて腕の力が緩みかけ、リオネルは慌ててしがみついた。
ヘイデンも、まっすぐに立ち上がって、しっかりと腕に力を入れ直してくれた。
「――――リオネル!こういう時にそーいうこと言ったら危ないよ!」
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