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『身体から始まる恋があってもいい?』
「ちっまた負けた」
やっていたのは対戦ゲームで、初めて金森とやって二回目くらいまでは勝てていたのに、その後から勝てなくなった。
「金森先輩! もう一回!」
金森はもうコントローラーをカーペットの上に置いていた。心なしか少し俺とヤツとの間が狭まったような。
(これは……)
喉がごくっと鳴りそうになるのをどうにか止める。
「一旦、休まない? ボク疲れちゃった〜」
なんて甘えたような声を出して、俺の腰に腕を回す。
(キタキタキタキター)
俺の心臓はこの先を想像して早鐘を打つ。
顔の横に金森の気配を感じたかと思うと、ぺろっと耳朶を舐める。それから甘噛みをする。
「やめろよー」
俺はとりあえず虫でも追い払うように手をひらひらさせた。
「おっと」
それをヤツは避 けるが、俺が本気じゃないのが分かっているから、今度は唇にちゅっと軽くキスをしてくる。
あれからどこへ行っても、最終的にはこんな感じになるのだ。俺の家でも、どこかへ遊びに行っても誰にも見られないような場所を探して。だいたいキスとハグくらいで終わるが、金森の家だともう少し進んでしまう。脱がされて全身にキスをされる。
俺はこういうことをするのにだんだんと抵抗がなくなっていった。
何回目かで、どこかでそうされることを望んでいるような自分に気づき始めた。
『俺は七星が好きなんだ』
『金森を好きだったのは小学生の頃だ』
そんな言葉を頭の中で何度か繰り返しても、だんだんと言い訳のように思えてくる。
『夏休みの間も遊ぼ~』
七星の誕生日、別れ際にそんなことを言った。もちろん社交辞令なんかじゃなく、部活のない日に誘うつもりでいた。しかし、その後に金森との間に起きたことが、いたたまれなさ過ぎて顔を合わすことができない。
そんなわけで七星のことは一度も誘っていない。
それなのに金森にはめちゃくちゃ会っているわけだ。
俺は考える。
たしかに七星のことは可愛いと思うし、守ってやりたいとも思う。
でも、俺と金森がしているようなことはできる気がしない。七星を汚すような気がして。
守ってやりたいというのは、俺の中ではどうやら、そういうことからも守ってやりたいということも含まれているらしい。そう思っている時点でこれは恋ではないのかもしれない。
では、金森はどうか?
俺の初恋の男だ。
でもその頃とは変わってしまった金森のことは、避けていたくらいだから好きではないーーそう思っていたんだけど。
キスをされ、優しく触れられ、意識をし始める。それを繰り返されて絆される。
そこから始まる『好き』もあっていいのだろうか。
でも『意識』して避けてたり、今の金森に対して怒りを感じたり、これってよくよく考えたらもともと『意識』してたってことじゃないのか?
金森も言っていたじゃないか。
『だいくん、くわしい〜。ボクのこと好きすぎでしょ』
そんなはずはないと思っていたけど、実は正解だったとか?
(もう、自分の気持ちが自分で理解できない)
* *
そして、夏休み最後の日。
最後の砦は破られたのである。
金森の家では他の場所よりも激しい触れ合いをし、俺の窄まったそこは少しずつ慣らされてきた。
実際、金森は挿入する気があるのか、疑問ではあったが。
その日ついに俺はヤツの熱を受け入れたのだ。途中で萎えられでもしたら立ち直れないという不安はあったが、そんな心配は無用だった。
金森は萎えることなく俺の内側にゆっくりと入り込み、慣らし、やがてそれは激しさを増し、最後は俺の中で達したのだ。
毎回少しずつ慣らしてくれたし、この時もかなり時間をかけてくれた。それでも痛みは伴ったけど、金森の気持ちよさそうな顔や身体の重みや触れ合う素肌が、俺に多幸感を味わわせた。
こうなるともう俺の気持ちは転がるように金森に落ちていった。
認めよう。
今の金森が好きだ!
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