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第一章【8】巣作りと約束*
その日、ユリが目を覚ますと、寝床に居たのはユリ一人だけだった。
「ライモ……?」
小屋の中を見渡してもライモの姿は見えない。
相変わらず思考はぼんやりとしていて、ここに来て何日目なのかもよく分からなかったが、うっすらとライモが「出かけてくる」と言っていたのを思い出した。でもそれが少しの時間なのか、数日なのか、何と言われたのか思い出せない。
ライモはユリに対して誠実だ。
ここに来てからずっと、ライモはユリの世話を焼いてくれている。食事をさせ、服を着替えさせ、天気が良い日は水浴びもさせてくれ、そして、何度も抱いてくれた。丁寧に、丁寧に。だからユリを一人置いて帰ってこないなどあり得ない。そう確信できる。なのに今、ユリにはライモがいないことが淋しくて仕方なかった。
寒さのような不安がゾワゾワと肩から全身に広がっていく。ユリは寝床の上掛けに潜りその不安に耐えた。するとふと、ライモが近くにいる気がした。
ライモの匂いだ。
ライモの匂いが上掛けから微かに感じる。ユリはもっとその匂いが欲しくなって、上掛けから顔を出すと辺りを見渡した。すぐ近くにライモが脱いだ寝間着を見つけた。ユリはすぐにその布を引き寄せ抱き締めた。
「はぁ……ライモぉ……」
ライモの匂いに安心するがまだ足りない。
ユリは寝床から這い出てライモの痕跡を探し始めた。小屋の中は寝床の他に、質素な炊事場と手作りらしい机と一脚の椅子、そして小さな棚があるくらいだ。
ライモの大きなシャツを一枚引っ掛けただけの格好で、ユリはウロウロと部屋を物色した。
戸棚を空けてみると麻袋や瓶などが入っていた。食材らしいがよくわからない。他にも木製の食器が少しだけ。それと麻の紐。ユリの髪を束ねているものと同じもののようだ。さらに戸棚の下段にはユリの服が丁寧に畳まれて仕舞われていた。
「なんだろ……これ……」
その近くにに無造作におかれた茶色の物体をユリは掴んだ。ゴワゴワの布で出来たそれは一組の手袋だった。なんだかライモの匂いと一緒に香ばしい匂いもする。その手袋をユリは自分の手に嵌めてみた。
「でっかぁ……」
両手に嵌めた巨大な手袋をかざして眺める。ぶかぶかで中で指が踊ってしまうが、ライモの手の形がしっかりと残るその空間が、なんだかとても愛おしかった。
結局手袋の他には大きめの布が一枚あっただけだった。仕方なく手袋と布を寝床に持ち込み、上掛けとライモの寝間着も合わせ薄い山を作り、手袋を嵌めたままユリはその中に潜り込んだ。
「ユリ、ただいま」
声とともに、布の山から出ていたらしいふくらはぎを撫でられた。
「ライモ……おかえり……」
ユリはノソノソと布の山から這い出で、その逞しい首に抱き着いた。ぶかぶかの手袋を嵌めたままのユリの手を撫で、ライモが笑う。
「どこから出してきたんだよ」
「これ、いい匂いがするよ」
「焼いたパンを取り出す時に使ってるからな」
香ばしい香りはパンの匂いらしい。でもそれはライモの匂いを引き立てる要素の一つでしかない。
「寒かったのか? こんなに布集めて」
「淋しかった……。ライモの匂い、落ち着く」
ライモはユリの背中を撫でながら「そうか」と呟いた。その声は低いのにとても優しくて、淋しかったユリの胸にジワジワと染み込んで温めていく。
「ユリ、腹減ってるだろ?」
「減ってるけど……」
ライモがそう尋ねてきたが、食欲とは別の欲求が昂ぶっていた。
薄いシャツ一枚でライモに抱き着き、抱き締められ、ライモの匂いを感じていれば、発情期が終わっていないユリの身体はすぐに反応し始める。
抱擁を解き下を見ると、ユリの股からはピョコンと勃ちあがったソレがシャツを押し上げていた。
ユリは手袋をしたままシャツをめくりあげ、ライモの目の前に素肌を晒した。少し肌寒いからから、乳首もツンと勃ってしまう。いや、ライモが目の前にいるからだ。
「ライモぉ……」
「ん……こっちが先だな」
ライモの視線がユリの肌を舐めるようにたどり、大きな手がユリの股間の剥き出しのソレを優しく撫でた。
「もうこんなにしてるのか」
「んっ、んあっ、ライモっ……」
痺れるような快感にユリが喘ぐと、ライモは身を屈めせユリの胸も舐め始めた。
「あんっ、そ、それ好き……っ」
「ああ、そうだな。ユリはこうされるのが好きだよな。尻もすげぇ濡れてきてる」
ライモはさらに大きな手でユリの尻を揉み、太い指で谷間をなぞる。
この数日間でライモはユリが感じる場所をつぶさに把握したようだ。もはやユリが気持ちいいと感じる場所だけを徹底的に刺激してくる。
「あっ、あっ、キスも、キスも好きっ……」
ユリがそうくちづけをねだると、ライモは銀の瞳でユリをじっと見つめてきた。
「俺も……俺も好きだよ」
その言葉はユリの全身を駆け巡った。雷が走るようなビリビリした感覚。ライモといるとたまにこの感覚がする。
ライモが分厚い唇でユリの唇を吸ってくる。ユリはうっとりと舌を差し出すとライモの大きな舌がそれを捕らえてきた。
ちゅっちゅっと互いの舌を吸い合いながら、ライモが寝床にユリを押し倒し、そして膝を抱えるように折り曲げさせ、濡れたユリの蕾にいきり立った肉塊を突き立ててくる。
「んあぁぁんっ!」
「っ……あぁ……」
濡れたソコを奥まで一気に貫かれ、ユリは歓喜に鳴き、ライモも溜め息をつくように小さく喘いだ。
「……あんなにヤリまくってんのに、ユリのここはめちゃくちゃ吸い付いてくるよな」
「あぁんっ、ら、イモっ、気持ちイイ?」
「ああ、スゲェいいよ。凄く、凄くイイ……」
めいいっぱい脚を開かされ、ライモの大きな身体を受け止める。ユリは揺さぶられながら、恍惚とするライモの表情を見つめた。
「中……出してよ。いっぱい出して……っ」
「ユリ……それはダメだって言っただろ?」
それはユリがライモに何度もお願いしてることだった。でもライモは頑なに聞いてはくれない。
「だって、ライモの赤ちゃんっ、欲しいぃ……っ」
「ユ、ユリッ」
ユリはそうねだりライモの中心部を締め上げながら腰をくねらせた。ライモが苦しげに呻く。ライモはそれでもユリの頭を優しく撫で、優しく諭してきた。
「発情期が終わって、もしユリが……今と同じように俺の子を孕みたいと思ってたら……その時はユリが安全に子を産める場所を二人で探そう」
ライモは「な?」と念押しするように囁き、涙が溢れ出したユリの瞼にキスを落とす。
なぜ今ではダメなのか。こんなにもライモが欲しいと思っているのに。この気持ちは変わるわけがない。でもライモは頑なにそう言う。ならば従うしかない。
今腹の内に納めているこのライモの熱いモノが、いつの日にか中で弾けて子種を注がれる。そしてライモの子をこの身に宿す。想像するだけでユリは幸せな気分になった。
「じゃあ、発情期が終わったら、すぐにっ、すぐに場所探そうねっ?」
ユリはライモの肉塊を蕾で加えたまま、ライモに甘えるように想いを伝えた。
ライモは少し困ったように笑っていた。
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