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第三章【17】二年後*
―――二年後。
「ライモ殿ー!」
エルフや獣人たちに混じり戦闘訓練をしていたライモは、遠くから名を呼ばれて顔を上げた。
ここは東のエルフ王エルネスティの居城内にある国防軍の訓練場。その広い敷地の端から、褐色肌に黒髪のエルフが手を振っている。エルネスティの護衛のイラだ。しかし、いつも冷静なイラは何やら慌てた様子だ。
ライモは振り回していた巨大な斧を下ろし、イラの元へと走った。
「なんだ? 何かあったのか?」
「ユリ様にっ」
イラの口から最愛のひとの名が出てライモに緊張が走った。イラは声を潜め続けた。
「ユリ様に、発情期が来たようでして……」
イラのその言葉にライモの全身がビリビリと震えた。
「す、すぐ帰るっ」
ライモはイラにそう告げると同時に走り出した。
ライモとユリはエルネスティの後宮内に住んでいた。名目上ユリはエルネスティの四番目の妻。そしてライモはそのユリの護衛となった。
エルネスティは広大な後宮敷地の一角をライモとユリに与えてくれ、二人はそこに小さな家を建てた。それはエヴァリーナに燃やされてしまったライモの隠れ家とよく似た木の家だ。前と同じように小さな庭もある。違う所は部屋数を増やしたこと。この先、子が出来ることを想定して広い家にしたのだ。
名目上、ユリとライモは王の妻とその護衛だが実際は違う。なのにただエルネスティの世話になっているのは心苦しいので、ライモは国防軍に入り、軍人として働くことにした。『ユリの護衛』としても不自然ではない。何より無力だった自分を鍛え、ユリを守れるように強くなりたいとも思ったのだ。ユリもまた、城内にいる子どもたちを相手に魔術を教えている。
二人はそんな恵まれた環境の中で、日々穏やかに暮らしていた。
「ユリっ!」
「あ、おかえり」
木戸を勢いよく開けて家に入ると、ユリはライモが作ったユリ専用の椅子に座っていた。その姿はいつもと変わらないように見えた。
「は、発情期が来たって……」
「うん、そうみたい。でも結構平気なんだ。2度目だからかな?」
何てことはない様子で応えるユリ。ライモはユリの元へ歩み寄り、ユリに顔を寄せた。途端に鼻から入り胸を満たす甘い香り。
「確かに……スゲェいい匂いしてる……」
途端にライモの股間はムクムクと反応し始めた。
「あは、そうか?」
なのにユリは冷静だ。ライモは内心ガッカリしてしまった。
二年半前の発情期、ユリは自我を失い本能のままにライモを求めて甘えてきた。現在もかなり甘えてくれるようになったが、やはりどこかプライドと照れがある。それはそれで可愛いのだが、発情期の甘え方は格段に違っていたのだ。
とはいえ仕方がない。香りでは確かにライモを誘っている。何より待ちに待った発情期だ。
「やっと……やっとライモの番になれるんだな……」
ユリが頬を染めてポツリと呟いた。その表情にライモは内側からグワッと身体が熱くなるのを感じた。
「ラ、ライモ……匂いが強すぎるよ」
ユリは長い耳を真っ赤に染め、緑の瞳を潤ませる。
(ああ、やっぱり可愛い……)
ライモはガッカリした気分を撤回した。
エルネスティの城へ来ての二年間。ライモはユリを抱く度にユリに種をつけてきた。しかしユリが子を孕むことは無かった。やはり二人の間に子を儲けるには番になる必要があると感じてきたのだ。
「な、なんか食って、風呂入って、それから……ゆっくり……な?」
「うん……」
ユリは比較的冷静だが、ライモの方がユリの色香に舞い上がっていた。とにかく自身を落ち着けようと、ライモはそう提案し、ユリもそれに同意した。
やっと真の意味で結ばれるのだ。
慎重に、大切に、ゆっくりと、番になる儀式をする。
ライモはそう決意した。
―――しかし。
「はぁぁんっ!! ら、らいもぉっ! も、もう入れて……っ!!」
「ユ、ユリッ……ちょっと、ま、待ってくれっ!」
家に隣接して作られた浴室で、乱れきったユリにライモは焦った。
簡単な食事をとっている段階から、ユリは徐々にぼんやりし始め、浴室で身体を洗ってやっていると、どんどん乱れ、強く甘い香りを発し始めた。
「やだぁっ! ライモぉ! は、はやくっ……」
ユリは石鹸で泡だらけの身体でライモに抱きつき、勃ち上がった股間の可愛いモノをライモのいきり勃ったモノにヌルヌルと擦り付け、さらにライモの首筋を甘噛みしてくる。
「わ、分かったからっ! 泡流してベッドに行こう! な?」
「ううっ……」
半泣きのユリを宥め、ライモはユリの身体から泡を流す。
(ううっ……チンコ痛てぇ……っ!)
自我を失い強力なフェロモンでライモを誘ってくるユリと、なんとか自我を保とうとするライモ。その状況は初めての発情期と同じだった。
ライモは強烈に沸き立つ欲望を必死に抑え、ユリの身体と長い髪を拭き、ユリを担ぎ上げて寝室へと急ぎ入った。
「ああっ! クソッ! もう我慢できねぇっ!!」
たっぷりの綿を柔らかな生地で包んだフカフカのベッドに全裸のユリを下ろし、ライモはその上から覆いかぶさった。
「ユリッ!」
そして、その淡い薄紅色の唇を貪る。
「んっ……」
薄く開いた唇から舌を滑り込ませ、迎えに出てきたその柔らかな舌に舌を絡ませ味わう。それと同時に湯上がりでしっとりと汗ばんだ肌にも手を這わせ、胸の突起を指先で転がした。
「んはぁ……ラ、イモっ……」
ユリはエルフでオークのライモに比べたら当然華奢だ。それでもユリには美しい筋肉が付いていて、その靭やかで滑らかな肉体はライモを強く惹きつけていた。
「ユリ……ああ……スゲェ良い匂いだ……」
ライモはユリに頬を寄せて思い切り息を吸い込む。二年半ぶりの発情したユリの香り。
すると突然ユリがライモから顔を反らし、身を捩った。
「ユリ……?」
「はぁっ……らイモ……もう、無理っ……」
ユリは苦しそうにライモに背を向けると、ライモに向けて剥き出しの白い尻を突きだしてきた。さらに髪を手繰り寄せ、首輪が付いたうなじを晒す。
「もう、お願いっ……ライモっ!」
「く……っ!」
ライモはユリの尻を鷲掴みにするとそこを割り開いた。ユリの蕾は赤く色付き、垂れるほどたっぷりの愛液で潤んでいる。
「ユリっ、入れるぞっ」
ライモは限界まで膨張した自身の中心部をユリの秘所に当てた。
「はっ……はああぁぁぁんっ!!」
発情したユリのそこは慣らしてもいないのにライモの巨根をズブズブと呑み込んでいった。
「あぁ……スゲェ……っ!!」
中は柔らかに蕩けていた。なのに奥まで入り込むとライモを包み込み締め付け、ビクビクと蠢く。気を抜くとあっという間に達してしまいそうだ。
「はぁ……あんっ、ライモ……すご……ぃ……」
ライモはゆるゆると腰を揺すりつつ、ユリのうなじに鼻を寄せた。
「ユリっ……か、噛んでも、いいかっ?」
吹っ切れてしまいそうな理性を必死に保ちながら、ライモは最後の確認をした。ユリはガクガクと首を縦に振る。
「か、噛んでっ! ライモのっ、番にして……っ!」
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